作者:野田サトル
掲載:週刊ヤングジャンプ
今話題のヤンジャン漫画。
私の今現在のイチオシ漫画でもあります。
特徴はジャンルをモリモリに盛り込んだ「闇鍋ウエスタン」と自称するエンタメ精神。
・バトル・アクション漫画
・アイヌ文化の知見漫画
・明治の北海道歴史漫画
・野生グルメ漫画
・明治北海道旅漫画
とたいへん幅広い。
その上一つ一つのジャンルも大変奥深く、
・バトル漫画部分は、前作でスポーツ漫画(アイスホッケー)を描いていた作画のダイナミズムを遺憾なく発揮。
その上敵キャラには実在のシリアルカラーをモデルにした「変態」を配置。エド・ゲインと追いかけっこなんて燃えるじゃないスか!
・アイヌ文化部分は数少ない継承者の監修を依頼。また、ウィルタ語(超少数民族)や薩摩弁などもしっかり監修を入れる念の入れよう。
・明治の北海道歴史もしっかり取材済み。そもそも野田サトル先生自体が北海道出身、資料もご家族から写真撮って送ってもらってる密着ぶり。
・野生グルメパートも非常に楽しく、主にアイヌの食文化を食べて喜ぶシサム(本州人)という対比で教えてくれる。
・そして北海道ジャーニー!
明治の北海道を旅する楽しさ。携帯や車のない北海道は、仲間とはぐれたが最後などと会えないくらい広い・・・(漫画だから会うけど)
これらエンタメ要素満点の各ジャンルを、司馬遼太郎的歴史浪漫満載のストーリー(土方歳三は実は生きていた!とか203高地を征服したのは実はこの人!とか)に仕立て上げ、80年代ハリウッド映画的ハデハデバトルに持っていく・・・
日本のエンターテインメントとしてあまりにも正しく、正当ッ!
絵の感じが肌に合うなら是非読んでほしい。なお、ロンドンの大英博物館の日本漫画展でノボリを飾った評価もあり。これはオススメ!