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『サトコとナダ』感想〜イスラム女子と日本女子、アメリカのルームシェアでできた友情〜

最近、アフガンのこともありイスラムのことを色々調べていました。

 

『サトコとナダ』は1人のムスリマイスラム教徒の女性)の日常の漫画です。

 

同時に泣きたくなるよな女の子同士の友情のお話だったので・・・感想を書きます!こんな友だち、娘にできて欲しい!

 

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(『サトコとナダ』 ユペチカ 講談社/より引用)

 

著者 ユペチカ

出版社 講談社 (2017/7/8)

 

 

【あらすじ】

 

アメリカの大学生、サウジアラビアから留学しているナダ。

同じくアメリカの大学生で、日本から留学しているサトコ。

 

ルームシェアで知り合った2人。でも日本人のサトコはムスリマのナダの日常に驚くことばかり。

 

ほか、クリスチャンのミラクル、アフガニスタンからきたムスリマのパキザ、日系アメリカ人のケビンくんなど人種も宗教もごちゃ混ぜの友人関係が楽しく紡がれる。

 

 

【感想】

 

エッセイのようだけどエッセイではないです。

ムスリマのナダのカルチャーギャップがメインだけれど、クリスチャンや日系、アフガニスタンムスリマ(サウジより厳格)など「アメリカの大学生」物語。

 

ナダの暮らし方や考え方はやはり日本人と大きく異なるけれど、アメリカの大学生たちということもあり文化が優しく溶け合っていく。

 

イスラムの考え方は日本人には馴染みが薄く、「お祈りってそんなテンションなん!?」「結婚観、動揺するわ〜」とか思っているうちにあっという間に別れが来る。

 

その時気づくのです。。

「あれ、サトコとナダ、めっちゃいい友だちだったじゃん」と・・・

 

文化が違うからこそお互いを知る努力をしていたし、考え方が遠いからこそより歩み寄る努力があった。

 

その経験を追っていたら、2人の別れ(卒業が別れですね)がものすごく!哀しく思えて!!!!

 

イスラムの生活に理解が深まったらイイナー、なんて思って読んでたら、まんまと切ない青春物語にやられました。

 

イスラムの生活を知りたい方にも、青春の瑞々しさに触れたい方にもオススメの漫画です。

 

 

※ただしムスリマも多種多様。

イスラム生活様式を知りたい場合、ナダがサウジアラビア出身で、親がアメリカ留学を許してくれる穏健派イスラムであることは考慮に入れた方が良いと思います。