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『ボタボタ』感想~晴れやかな性と女の暴走記。闇も過ぎればスカッとする~

漫画の感想です。

 

スカッとしたい女性におすすめ!性と狂気のやりすぎ愛情物語。

 

あらすじと概要、見どころを紹介します。

 

 

『ボタボタ』

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板垣巴留『ボタボタ』日本文芸社2021年 より引用

作者:板垣巴留

掲載:週刊漫画ゴラク

 
【あらすじ】

氷刈真子は29歳。

美人だが誰とでも寝る・・・と思いきや、極度の潔癖症で汚いものに触れると大量の鼻血が出てしまう体質。

男性とふれあいたい!狂気と、やりすぎなまでの愛を求める物語。

 

【概要】

チャンピオン連載の少年漫画『BEASTARS』でヒットを飛ばした板垣巴留先生の1巻完結漫画。

少年漫画の経歴によるやりすぎ・過剰な表現が一周回って笑いを誘い、青年誌掲載の性表現が女性の晴れ晴れしさにつながる怪作。

 

【見どころ】

 

まずは「あまりに過剰な心の闇が一周回って笑っちゃう件」。

 

性行為をしようとすると大量の鼻血を出してしまう体質の真子。

 

血みどろのセックス・・・サイコホラーの様相を呈するはずが、一周回っていっそギャグ。

 

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板垣巴留『ボタボタ』日本文芸社2021年 より引用

 

作中では、真子が極度の潔癖症になる心の闇も描かれています。

 

しかし「過剰さ」によって、真子はベタっとしたメンヘラ女ではなくいっそあっぱれ!と思いたくなる突き抜けたパーソナリティを感じさせます。

 

 

その突き抜けた清々しさは「女性がスカッとする、真子の決断」につながっていきます。

 

ラストのオチのつけ方なのでここでは公開はしません。

 

しかし、闇に染まった女が最終的にとった行動は突飛で豪快でやりすぎで、そしてスカッと爽快。

 

闇も過ぎれば爽快感。血みどろなのに晴れやか。

 

なんとも表現しがたい怪作ですが、1巻完結の気軽さもあるのでもし気がむけばぜひ。

女性の悩みの話のはずなのに、少年漫画的気持ちになる新感覚の作品ですよ。