ド熱いスポ根がお好きな方におすすめの漫画ですー
スポ根でファンタジーで、そしてロックなんですが。それ成立するの?と思うけど、ものすごいパワーで成立させるんですよコレが。
あらすじと感想をご紹介します。
『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』
長田悠幸/町田一八 『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』スクウェア・エニックス2014年より引用
【あらすじ】
地味な英語教師、本田詩織26歳。
将来の夢はぼんやりお嫁さん。家は貧乏、いつも茶色のスーツを着ているジミな彼女だが、実は高校生の頃はギターをかき鳴らすロック少女だった。
そんな本田先生にアフロのブルースシンガーの霊が憑りついた。
霊の名前は「ジミ・ヘンドリクス」。彼が言うには、27歳までに「伝説」を作らないと本田先生は死ぬ・・・!
リミットは1年!本田先生に眠る熱きギタリストの魂を燃やせ!
【感想】
音のイメージを具現化したぜ!!!
超ド級のスポ根だぜ!
「俺の考えたいちばんすごいアーティスト集めた」ぜ!
見どころを羅列すると↑のように分裂する本作です。
まず音のイメージ。これは見ていただいた方が早い。
長田悠幸/町田一八 『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』13巻スクウェア・エニックス2014年より引用
あり得るか?あり得ねえだろう?でもこういう音が出てるんだ。こういう音を出したんだ!!
絵のうまさも相まって、怒涛の音イメージの奔流。ほか、ライブ中にバスが飛び出したりクジラが舞ったりと大変に派手!
確かにこんなことは起こらない。しかしこれがイメージというものだッ!(なお、↑のコマはなんと「4ページぶちぬき」という漫画の常識を打ち破る演出)
その音イメージが出るほどの説得力ってなんだ?っていうの、本作では「スポ根で鍛えてるから」っていうアンサー。
長田悠幸/町田一八 『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』8巻スクウェア・エニックス2014年より引用
血と汗と涙と、カップラーメンをぶつけられるド根性。今時珍しいほどの熱血ぶりですが、この苛烈な「修行」をキャラ全員が克服しての音!
で、今までの二つと大きく異なる面白みとして「俺の考えたいちばんすごいアーティスト集めた」ってのがあって。
主人公にジミヘンが取り憑く・・・という設定上、他にも憑いてる有名アーティストがいる訳です。
コレも見てもらった方が早いデス。
長田悠幸/町田一八 『SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん』17巻スクウェア・エニックス2014年より引用
ブライアンジョーンズにジャニスジョプリン、
ジムモリソンにカートコバーン!
私は音楽に明るかアないんですが、このメンツが偉大なアーティストであるであることくらいはわかります。
ここにジミヘンが加わるって事で、小学生のロック好きが「おれのかんがえたアーティストで打線組んでみた」という夢バンドができる訳ですヨ。
・・・という感じで、内容モリモリでとっ散らかりそうな本作なんですが・・・
存在する情報量の多さに対し、表現する情報量は少ないので大丈夫なのです。
どういうことかっていうと「一巻の半分はセリフなしで音楽イメージで進行」とか!!
「ジミヘンの幽霊が取り憑いた」というファンタジーにノレさえすれば、超極上の音楽スポ根体験ができます。
音イメージはまるで読むMVです。
すごい表現力だし、もっと流行ってほしいなあ。ド熱くて面白いヨオオオオ!すばる先生ダーイスキ!