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『春の呪い』感想~恋愛はサスペンス。甘いどころかヒリつく恋模様~

甘い恋愛ものは読まないけれど、ビターな恋物語ならいけるかも!という方にお勧めの漫画のご紹介ですー!

 

ビターどころか、なんかヒリつく。恋してるのになぜか犯人を捜している気になる。

 

あらすじと感想をご紹介します。

 

春の呪い

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 小西 明日翔『春の呪い』 一迅社2016年より引用

 

著者:小西 明日翔

掲載:月刊コミックZERO-SUM

 

【あらすじ】

 

夏美と冬吾。

夏美は19歳の妹、春を亡くしたばかり。そして冬吾は春の婚約者。

 

夏美と冬吾は惹かれ合う。しかし夏美は知っている、春がどれだけ冬吾を愛していたかを。

 

罪悪感とお家(いえ)の都合。本能と理性が冷たく反発しあう、恋愛サスペンス。

 

 

【感想】

なんで恋愛なのにヒリつくんだろう・・・

 

甘い恋愛シーンは皆無。

 

主人公夏美は妹への罪悪感に常に脅え、冬吾は家の都合(後述)に振り回される恋愛模様

 

本来、甘やかで燃え上がる恋愛のパターンのはずなのに、なんかいつでも犯人捜しのムードが漂うのはなぜなんだろうな~~。

 

絵柄のせいか、画面処理のせいか。愛の告白も切迫感!

 

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 小西 明日翔『春の呪い』 一迅社2016年より引用

 

 

もちろん悪いどころかむしろ良い。

サスペンス仕立ての恋愛モノとして、甘い恋愛ものが苦手でも楽しめる変化球です。

 

また、冬吾をしばる事情は血筋や家柄といった「お家の事情」

上流階級とか特権階級とか、浮世離れした世界は現実味のない恋愛にぴったり。

 

 

物語としてはハーレイクインロマンスなど、甘い甘い恋愛小説の型のはずなのに、なんか過呼吸が起こりそうな切迫感があります。

 

私は進んで恋愛モノって読まないのですが、サスペンス仕立てでスッと読めました。

と言いつつ通読した後振り返ってみれば甘い甘い恋愛モノで、読書体験としてちょっと混乱する逸品です。

 

ちょっと変わった恋愛マンガを探している方、あるいは甘い恋愛マンガを読むのが苦手なのにたまには恋愛気分も摂取してみたい(いるのか)という方にお勧めです。(私のこと)