漫画のこと。

漫画好きが読んだ漫画を紹介したり批評したりするブログです。

8/17に読んだ漫画の感想(3件)

このエントリーに書いた感想は以下の3件。

 

  1. 『極東事変』
  2. チェンソーマン』
  3. 少年マガジンエッジ2022年9月号

 

Webマンガリンクは時間が経つと閲覧ができなくなっている可能性もありますがご了承くださいませ

 

『極東事変』

ちょっと珍しい、戦後直後東京の大量火薬量娯楽エンターテインメント。

第二次世界大戦後、敗戦でススけた東京。

復興して生きようとする庶民たちの水面下で、日本をアメリカから独立させようとする右派ゲリラ、それと対峙するアメリカ非公式部隊の戦いがあった・・・。

主力は双方「ヴァリアント」と呼ばれる生物兵器人間!軍により極秘裏に改造されたヴァリアントは超再生能力を持つ(腸くらいははみ出しても治る)超人間!アメリカ、ソ連が武器提供する各種銃器でドンパチ!復興ままならぬ道をアメ車・ヨーロッパ車でカーチェイス

 

やりたいことはすごい分かって、東京の街でバタ臭い戦争がらみの娯楽エンタメをやりたいんだと思って、燃料もままならないのに時代だったろうにカッコいい外車がバンバン出てくるのとかもう世界観としてはファンタジーでして、私なんかもそれが面白いわけなんですが・・・

今このご時世で勧めづれエ・・・。

 

だって作中、アメリカが作った憲法を撤回させるため吉田茂に押し迫って「バカヤロー」とつぶやかせたり↓ja.wikipedia.org

今まさにホットな「反共」というワードも出てきたりしまして(作中文脈としては対ソ連という文脈ですけどまあそれが繋がって・・・ごにょごにょ)、こう、今現在、現実世界が話題の宗教法人から端を発した戦後に積み上げられた後始末をどうしようか・・・と困っている状況だと、各ワードがいろいろセンシティブになっちゃってるっていう・・・。

 

内容としては死神と呼ばれた脱走兵とヴァリアント(生物兵器)少女のバディが毎回カーチェイスってロケットランチャーったりする完全な娯楽なんですが・・・。面白いんだけど・・・少なくとも2022年8月現在、Twitterでは呟きづらい作品です。早くこういう娯楽が楽しめる時代になってほしいもんです・・・。

 

(ちょっと補足)

この作品、戦後日本の生活下をファンタジー加工して消費する作品でして、そりゃあ不謹慎なんですよ。でも、ドイツとかロシアとかのスパイものが受け入れられているのに戦後日本の焼け野原だけセンシティブ認定するのはおかしいと思うんですよね。

日本人の苦労はおじいちゃんやおばあちゃんがかわいそう、だけど遠い国の苦労ならエンタメとして見られる、というのは傲慢だと思うんですよ。ドイツにだっておじいちゃんおばあちゃんはいるわけで(もちろん、個人的に辛い、というのは全然いいと思うのですが)。

私はそのどちらにも「ファンタジーです!」というでっかいラベルを付けてひっそり楽しむのがイイと思うんですよ・・・。エンタメというのは暴力的なものです。

というかKADOKAWAさんがこの作品を止めずにやりつづけていることに、エンタメの本懐をみるっすよ(だから面白いと広めない方がいい気もしているのです)。

 

 

チェンソーマン』

人の恐怖を餌に強さを増す「悪魔」、そしてその悪魔を狩るデビルハンターのいる世界。極貧の少年、デンジは友人の悪魔「ポチ太」と契約しデビルハンター「チェンソーマン」として悪魔を狩る。

一部ではデビルハンター側の人間でありながら最悪の悪魔「支配の悪魔」を倒したチェンソーマン。二部が開始し5話目でようやくチェンソーマンのお出ましだ!

 

ドラマティックで大胆な画面遣い、Twitter読者と思考が接続しているかのような「なう」な思想がギラギラ光る。

今回も作中に登場した生死の二択問題について、Twitterでは「トロッコ問題」とトレンドに入ったりして。本来のトロッコ問題ではない(だってトロッコ出てないし)んだけど、Twitter的にはこれはトロッコ問題なのだ。それで通じるのだ。

洋画の影響をバリバリに受けた表現自体も楽しいのだけど、最近は読者・・・というより、明確に「Twitter読者」のムーブに完全に沿っているのが稀有な漫画だなーと思う。

いや私も好きなんですけど。「チェンソーマン的フルコース」って論考を書いてみたい。前菜はジャム付きトースト、メインディッシュは「第二次世界大戦」。

 

少年マガジンエッジ2022年9月号』

comic-days.com

 

↑の埋め込みだと見られないけれど、1巻が発売したばかりの『ブレス』の表紙がすごく美しい。勢いがあるなー。

美術系マンガの中でもメイクという素材で、メイク担当とモデル担当がそれぞれの道を歩むバディ的なイメージもあってすごくアツい。なによりやっぱり美しいんだな・・・。モードな世界はある意味でファンタジー