このエントリーに書いた感想は以下の2件。
- 『岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET』
- 『概食産業』
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『岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET』
1980年～90年代、ジャンプに掲載された短編と新作短編集。
話に連続性はないですが、共通するのが「あたたかなジュブナイルファンタジー」ということ。
私個人はちょうど子供のころにリアルタイムでジャンプ本誌で見た記憶が鮮烈にあります。
当時のジャンプと言えば男の子の世界で、バトルしてちょっと下品なギャグがあって…という世界。
『岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET』に収録されている『COMCOP』は、「赤ちゃんをおんぶして戦う優しいお父さん」という二重三重に新鮮なキャラでびっくりしたものです。
少年誌歴史を超ザクー－－っと解説すると、
戦前はディズニーを模したようなかわいい動物もの、
戦中は少年向け戦争礼賛・勤勉な生活へのプロパガンダとして使われ、
戦後すぐは欧米の映画の影響を受けた西部劇、ニンジャ物といった娯楽作品、
1950年代に手塚治虫『鉄腕アトム』など。1959年にマガジンとサンデーが創刊され、1970年に『巨人の星』など根性スポ根モノが流行し、1980年代には根性が廃れ『キャプテン翼』『ドラゴンボール』など、少年主人公の明るく楽しいファンタジーが主流になっていました。（※参考：日本の漫画本300年～「鳥羽絵」本からコミック本まで ミネルヴァ書房）
当時のジャンプといえば幽遊白書やシティーハンターといった男子の世界の漫画誌です。
ちなみにCOMCOPが掲載された時、メディア芸術データベースによれば少年ジャンプの並びで『ろくでなしBLUES』の後で『珍遊記』の前ですｗ
森田まさのり先生と漫☆画太郎にはさまれた優しいシングルファザーお父さんの漫画！
当時の私、びっくりしただろうな～ｗ
今であればシングルファザーの優しいお父さん像も想像がつきますが、当時の男性像で「優しさ」を出す作品は珍しかったので、すごく記憶に残っていますね・・・。
収録の新作ファンタジー『MY LITTLE PLANET』も、SFジュブナイルファンタジーとして今風のイメージを取り入れた優しい気持ちになれる作品です。お若い方もどうぞ。kindleアンリミテッドに入ってますよ！
『概食産業』
トーチWebで良質なSF『宙に参る』を連載している肋骨凹介先生のジャンプラ初掲載漫画。
さすが小気味のよいSFで、ちょっと倦怠感漂うカップルがすこし不思議な目に遭います。楽しく良い読後感のSFにご興味あればぜひ。
↓『宙に参る』も置いときますね。面白いよ！
