漫画のことと本のこと

漫画好きが読んだ漫画や本の感想を書くブログです。

9/23の漫画の感想(1件)

このエントリーに書いた感想は以下の1件。

 

 

 

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『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』

ここは様々な種族や属性が暮らしている世界。他者とは違った個性が交わり、働き、交わり、恋をする・・・そんなふつうの世界。

透明人間の透乃眼さんの探偵事務所で働く盲目の人間女性、夜香さん。紳士な透乃眼さんとおっとりした夜香さんは実にいい雰囲気ッ・・・!

 

普段はゴアでスラッシャーで内臓をふりまくマンガを読んでるんですが、こういう漫画もいいものです。

えー、この作品、非常に好きなんですけどもッ

しかしながら論じるポイントがたくさんある(良い意味で)ッ

  1. ・障害についてとてつもなくナチュラルに表現されていること
  2. ・目が見えない女性×透明人間の紳士×マンガ表現の掛け合わせ
  3. ・とても幸せな!!イチャイチャ!!!ハッピー!

まず1、障害について、

主人公の夜香さんは盲目の人間女性。探偵事務所の事務として、点字ディスプレイを使ってスケジュール管理や経理、備品管理をしています。

作中、盲目であることのコンプレックスや苦労が語られることはほぼなく(白杖が自転車に絡んでしまうハプニングなどはあるけれど)、盲目についての「社会の障害」を感じることはありません。なにせ獣人や異星人のような人々が様々に入り乱れているので、制度や法律自体が様々な規格になっているのだろうと推測します。

「障害」って、こと社会とのかかわりの話で言えば「社会の障害」なわけで。目が見えなくても、見えないヒト用のガジェットや制度が整備されていればそれは障害じゃなく個性になるわけです。『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』の世界は、そのフェーズに突入したものすごく幸せな世界だな~とハッピーな気持ちになるっていうね・・・(あと浅学にて「点字ディスプレイ」について初めて知りました。こういうガジェットの周知になるのもいいっすね。)

 

2つ目、・目が見えない女性×透明人間の紳士×マンガ表現の掛け合わせが楽しいっていう。

目が見えない女性の世界の感じ方(匂いや音、体温など)を漫画という絵で表現すること、そして透明人間という特徴を持つ透乃眼さんのすごくかっちりしたスーツが「浮いてる」状態の絵が続く、漫画としては異質の表現。

夜香さんは目をつぶって過ごしているし、透乃眼さんは顔がそもそも描かれないので、「目の演技」「顔の演技」が全くない状態でラブストーリーを進行させるのってすごいなって。

また「見えない女」と「見えない男」の心の交流がベースなわけですが、それってすごい絵ですよね。お互いそれぞれ「画としてのイメージ」感知に難のある特性があって、ふたりは感覚で恋を育てるのを、読者は漫画の絵として見てる。すごく面白いなと(しかもそれは不幸なこととは全く!描かれていないし)。

またkindleだと背景に青色1色で彩色されていて、それもちょっと異色。背景の着色って演出に関わると思うのですが、紙本だとどうなのかな?と取り寄せ中でございます。

 

そ、し、て、3とても幸せな!!イチャイチャ!!!ハッピー!がねッもうねッ!!!

もうねえ、↑の1.2.の双方をすべてぶっとばす、約束されたふたりがもじもじ恋を進める様子をにこにこにこにこ眺めちゃうわけ。

これはもう私個人の好きの話なんですけど、恋の行方じゃなくてもう恋している二人がどう恋を育むかっていうのを煎茶とかをすすりながらその甘みを堪能したいわけでね・・・かわいい、いいですねかわいい・・・透乃眼さんちょっと手エだすの早くないですか夜香さん泣かせたら承知しないかんねマジで(本気)

 

 

 

と、すごく刺さった小さなSFファンタジー。9/28に2巻も出るからもう予約したから!

 

↓で試し読みもできるので気になったらぜひどうぞ。