その日読んだ漫画の雑感をまとめておくエントリです。
リンク切れや無料期間公開終了などご容赦くださいませ。
本日は2件の漫画の感想です。
2年1組 うちのクラスの女子がヤバい/衿沢 世衣子
とある高校の2年1組。このクラスの女子は全員、何にも使えない変な能力「無用力」という能力を持っている。思春期にのみ発動する千差万別な無意味能力は彼女らの個性の延長。ひとりひとりの無用力に向き合うオムニバス。
楽しい多様性!
邪魔なこともあれば、本人もいい感じに思ってたりもする無用力。
1巻の無用力は
・同じ空間にいた人間を学校の屋上に飛ばす
・集中するとツノが生える
・ことばと感情に乖離があると鈴が鳴る
・・・などなど。
お話の中では一過性の能力であるがゆえ、その能力に周囲が寄り添い、理解をする風景が描かれて、そういうのいいなあって思う学校SFです。
生活保護特区を出よ。(1)/まどめクレテック
「神道を国教としてまとめようとしました」「で、この精神のところがちゃんとまとまっていれば論述は10点 “徳”のワードがなければ4点減点です」
仮想世界のトーキョー。
1945年に大きな戦争があり、その復興のため東京は「トーキョー」と、
【国民として不十分な能力】の者を【保護する】生活保護特区に分けられた。
物語を読んだり歴史を正しく辿ることは得意だが、仕事の指示を聞いて行動に移すことに混乱のある女子高生フーカ。
家族と切り離され、生活保護特区に強制収容された彼女がそこで見るものとは。
思想犯やエイブリズムに言い訳をつけて「保護」するどこかで見たやり口、そこに広がる様々な貧困の生々しい臭気。
こんなにくっきりと関門を設けられてはいないけど、実際の話、現代だって薄皮一枚めくりゃあいくらだってある話。
お話は特区に生まれた原始宗教へと流れていく。フーカも、他に何もできないけれど、本を読めない人に朗読をしてあげることを思いたつ。
人の寄る辺は物語だ。物語で人は救われ癒され、
そして蜂起する。そういう歴史はある。