漫画のこと。

漫画好きが読んだ漫画を紹介したり批評したりするブログです。

9/30の漫画の感想(2件)

このエントリーに書いた感想は以下の2件。

 

 

 

Webマンガリンクはエントリー公開後時間が経つと閲覧ができない可能性があります。ご了承くださいませ

 

 

[47話]ハイパーインフレーション

 

いよいよ大詰め!怪作「ダークファンタジーショタマネーゲーム」!

それにしてもこの段に来て「炭治郎化」の風を感じる。

 

~炭治郎化~

登場人物が状況を整理・課題を提示・打破条件を解説する、マンガをメチャクチャ分かりやすくする独白。鬼滅の刃では主に炭治郎が担当。炭治郎がいないと蜜璃さんが担当したりする。なおこの言葉自体はこのブログの筆者が勝手に言い出した。

 

ハイパーインフレーション』、今非常に狭い場所で人間関係のごちゃごちゃした(この人たちすぐ裏切って敵味方が変わるから)戦闘シーンが続いているため、炭治郎化はむしろ望むところというか。

というか『ハイパーインフレーション』の作風に合ってるし、とても分かりやすくてイイと思います。この人たち、元からずっと理屈っぽくいろんなこと言う人たちだし。鬼気迫る命の取り合いをビシッと魅せます。

 

『最後の晩餐のお供』(読み切り)

 

「この世界からリタイアしよう」。思い立った少年が用意したのはロープとAV。だけど何だかAVの中身がおかしくて…。

少年ジャンプ+ https://shonenjumpplus.com/episode/316112896887828284 より引用

 

キャッチコピー(アオリ)は「エッチなビデオから話しかけられた!?」

電影少女(ビデオガール)じゃん!!!!これビデオガールじゃん!!

 

1990年代のジャンプ少年たちをモヤモヤさせた桂正和の美少女マンガ。まさかここへきてリバイバルが来るとは・・・・・と勝手に思っていたら、内容はかなり違っていました(当たり前)。えっちじゃないです。

しかし「デバイスの中の少女と交流する」というキーワードでひっかけて話すと、電影少女はえっちっぽい「ビデオ」がビデオデッキの中で故障しちゃって、ちょっと想定と違う美少女の「あいちゃん」が出てきて・・・そうビデオテープ

DVDよりはるか以前の記憶デバイスで、物理で磁気テープを読み込ませるためよくテープが絡まるというハプニングがあったんです。あいちゃんがちょっとおてんばになったのもそのせい。

そこへ行くとノートパソコンの再生(お兄ちゃんのPC)で確実に再生できる映像に変化があるのは確実に「変異」で、その差ははっきり分かる気がします。

 

ジャンプっぽい絵柄の中にチラ見えるファンシーポップな絵柄。題材の選び方が強いのに好感度のある漫画でした。

 

 

女も男も、笑い声ロボットになっても裏ではワニだよね?漫画『Pink』より

本日の漫画感想は岡崎京子『Pink』です。

 

 

 

 

いえ、今日、京大の「笑い声ロボット」がTwitterで話題だったんですよね。

 

 

 

でまあ、ジェンダーロール的な意味合いとかケア要員的な意味とかで盛り上がって(良い言い方)いたんですけど、私はどっちかっていうと「このロボットの笑い声が良いものだ」という前提が気になってしまって。

 

「あははそうですか~」「そうなんですかえへへ~」っていう笑い声、すごいディスコミュニケーションだと思うんですよ。もう目の前の相手と会話する気のないやつ。

 

んでまあ、ロボットっていうかディスコミュニケーションの、そういう漫画あったかな・・・と思ったときに思い出したのが『Pink』だったわけです。

 

『Pink』は1989年初版(筆者が持っているのは2010年の新装版)、今から約30年前のお話です。

 

バブル華やかなりし東京、OLのユミちゃんは優雅な独り暮らし。

OLだけじゃ足りないから、夜は売春をして稼いでいる。

たくさんおかねを稼いで肉を買う。じゃないと、飼っているワニが飢えてしまうから。

 

前提として、この頃のOLは東京一人暮らしが十分できるお金を稼げています。そのため売春はあくまで余暇。

ユミちゃんには刺激が足りないのです。そのため、自分の中のスリルとサスペンスとしてワニを飼っています。

だからユミちゃんは売春も平気。

 

嫌なオヤジに「へえそうですか~」

セックスの後説教されても「あはははは~」

お小言を言う課長にも「あ、スミマセ~ン」

 

それこそ、京大の笑い声ロボットのような声を出していますが、心の中では「こいつウチのワニのエサには筋張ってマズそう」くらいのことしか考えていません。

 

そんなもんじゃないですか?

 

でもそれって男性でも同じだと思って。

 

『Pink』では、ユミちゃんの彼氏(と言えるのか分からない関係・・・)の大学生の男の子、ハルヲが母親くらいの年齢の女性に体を売っています。

 

「いつもおきれいですよ」

「好きですよ奥さん」

「美しい 魅力的だ かあいらしい」

 

なんて言いますがその実考えていることと言えば

 

「これは労働だ」

(電話が来て)「ババアか~」

 

などなど。

 

まあそんなもんでしょう?

 

 

親密なコミュニケーションって時間をかけて信頼関係を築いて、そんで受け入れてもらえるかもらえないか?っていうジャッジがある、わずらわしいモンじゃないですか。

 

そこすっ飛ばして相手に受け入れてもらえてる(笑い声を立ててロボットみたいに相槌打ってくれる)って、それもう権力勾配がキツくて、どうしようもないから相手がコミュニケーション放棄して他のこと考えてる状態ですよね。

 

 

笑い声ロボット、あれ自体はロボットなのでそんな意図はないですけど、信頼関係築けていないであの笑い方をしている人がいたら、それ多分相手をあきらめてるだけなんで・・・。

「ワニに食われたらいいのに」くらいしか思ってない笑顔じゃないかなと。

 

笑い声ロボット自体に悪意はないけど、あの笑い方をする現実のヒトはコミュニケーションを取る気が無いので、あの笑い方をセットして良いコミュニケーションだ、というのはちょっと違うよなって感想。

 

 

・・・で、更に『Pink』では、ユミちゃんを買って汚く罵り行為に及ぶおっさんがいます。

 

このおっさんは動物愛護を提唱するエライ人で、テレビで難しい話をしながら「はちゅうるいの捕獲はけしからん」などと言うけど財布はワニ革なのです。

 

おっさんだって裏の顔があるじゃん。

 

男も女もおっさんも、腹にはみんなワニを飼っていて、本音なんか言わないし信頼関係が無い人にはウソをつく。

 

本当の笑い声は、時間をかけた信頼関係からしか出ないんですって。

チェンソーマン第105話とTwitterとザ・ボーイズ

本日は、本日0時に公開したチェンソーマンのお話をしたいと思いますー

 

チェンソーマン』105話

shonenjumpplus.com

 

 

まず、すっごい早口で言っちゃいたいのですが、

  • 生活保護受給者がパチンコをするのは違法ではない
  • 生活保護の支援範囲内での遊興は「人間としての最低限の文化的な生活」に当てはまる
  • (知的障害・ギャンブル依存などで生活支援を上回るほど遊興に使用してしまう場合は自助団体などへの加入などで社会参加の道筋を整えるべきである)

 

っていうのを宣言しておきます。

今回のチェンソーマンのショッキングポイント「正義の悪魔と契約した女子が『生活保護者がパチンコやってたから殺した』。」発言への現段階での法律と個人的見解です。

 

筆者は現実社会のスティグマ(偏見の烙印)を強化したり、分断、またヘイトの助長をする気はないので宣言しましたが(筆者の発言はエンタメコンテンツではありませんし)、今回のチェンソーマンでも当然「ドン引きなこと」として演出されています。

行き過ぎ正義女子が主人公のアサがドン引くヤバいセリフとしてかの言葉を口にするのです(ほんとにやったかどうかは不明)。10代後半~40代くらいの読者層に対して、とげとげしい「悪」のエンタメ演出です。

 

しかし今回言いたいのはそれじゃない。

 

チェンソの魅力・・・というか『ルックバック』以降の藤本タツキ作品は、Twitterの反応のやり取りが魅力だと思うわけです。

 

『ルックバック』での表現が精神障害者への偏見を助長するとして差し替えになったのは衝撃的な事件でした。

しかしその差し替えにより、「差し替えの痛み」のコンテクスト(文脈)が生まれ、作品としての価値が高まる結果に着地するという現代アートのような顛末がありました。

 

その後短編『さよなら絵梨』、原作を担当した『フツーに聞いてくれ』と、各作品とも発表作品→Twitterの反応のアンサーのような作品が続きました。もう「Twitterと並走した作り」を期待しているところもあります。

 

 

だから言いたいのは

 

「今さら生活保護ヘイトで悪感情演出じゃないっしょ、昨日(2022/9/27)のTwitterジャパンすごかったよ!!」

 

ということです。

 

Twitterから得られし情報を打ち返していくスタイルであれば無視できないんじゃないかな~って。

 

現場からは以上です。

あおりとかじゃなく、私はお待ちしてますよ・・・舞台をアメリカ想定して「フードスタンプアメリカの低所得者層向け食糧費補助)」とかイメージの変えようはいくらでもあったのにあえて日本社会想定でやったんだから、それはアクセル踏んでいくことを期待しちゃうわけで。

 

ところで意味もなく権力者をゲラゲラ指差して笑うアメコミ『ザ・ボーイズ』を置いておきますね。面白いのですごくお勧めです。

 

 

9/27の漫画紹介5件(ディストピア漫画紹介)

こんばんは、まんが批評見習い、美大生(41歳)中山今です。

 

本日(2022/9/27)はディストピア漫画のご紹介したいと思います。

 

本日ご紹介するのは以下5件。

 

 

それぞれ、簡単なあらすじとオススメのディストピア怖シチュエーションを解説してあります。

 

本日は権力と主権者、民主主義について考える日でした。

これらの漫画、いつもより「味」が強く感じるんじゃないかな・・・と思います。

 

『えれほん』

 

「第25回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞、『このマンガがすごい!2022』オトコ編10位など『ダーウィン事変』のうめざわしゅん先生の作品。

毒に満ちた短編集で、第一部『善き人たちのクシーノ』はジョージ・オーウェル1984』をほうふつとさせる全体主義管理社会を皮肉たっぷりに描きます。

 

【あらすじ】

リア充ア(ひりあじゅあ)階級が独裁国家を樹立、リア充ア(りあじゅあ)階級を弾圧し、BBQなどリア充行為が露見すれば処刑も辞さない独裁社会において、優秀な同志住田(すみた)はリア充行為「アイドルにガチ恋」するという、党の規範から逸脱した感情をいだいてしまい・・・

 

【オススメ管理社会ポイント】

ヒドイ!!旧ソ連的世界をオタク用語でアップデート。誰もが苦笑いしかできない毒々しい話運びに絶望的になること請け合い。非リアート(非リア充階級)にはクシーノ(アニメ妹キャラ抱き枕)が支給され、リア充的行為(恋愛)を抑制する・・・。愚かだ・・人間は愚か・・・・。kindleアンリミテッド加入で無料で読めるのでぜひどうぞ。

 

 

 

『フールナイト』

新進気鋭の漫画家、安田佳澄による生命と貧困のディストピアSF。現在4巻まで刊行。スペリオールにて連載中。

 

【あらすじ】

厚い雲が日の光を遮り100年が経った未来。

酸欠状態の地球では、人間を植物に変える「転花」という技術が盛んになっていた。

転花すれば人は2年ほどで植物となる。ヒトとしての死。

しかし人は転花に望んで群がる。なぜなら貧困の救済が無い社会構造で、政府が「転花者には1000万円」という制度を設けているからである・・・。

 

【オススメ管理社会ポイント】

直接の弾圧はではないものの、「アリ地獄のように絶対に抜けられない貧困」「逆転できない格差」がこれでもかと描かれてすごく身近なディストピア(つらい)。その貧困から抜け出すために「政府から」「死の希望者」が「募られる」・・・。セーフティーネットとしての死が制度化された社会。

物語は死の代わりに得た能力で、人の心の貧しさを見続ける青年のお話。

4巻まで進むと「これ以上ないだろう!」という貧困の底がさらに抜けるのでとてもおすすめ。スタイリッシュでクールな絵と、カラーページの印象的な灰色と赤の色使いもすてき。

 

 

『光る風』

がきデカ山上たつひこ先生の超硬派ディストピア軍国主義マンガ。なおこちらの方が先の連載。

 

【あらすじ】

1970年、架空の日本。とある村で流行した奇病、隔離政策。その謎を追う大学生、六高寺弦。謎に徐々に迫るうちに、日本は軍国主義へと還っていく・・・。

 

【オススメ管理社会ポイント】

ギャグは全く無し。優生思想や軍国主義、細菌兵器開発、監獄での拷問や事故による四肢欠損などグロでバイオレンスな骨太ディストピア

手塚漫画の影響が色濃い絵柄で手加減なしの権力による暴力が展開する。

物語としては少々ほころびがあり粗も目立つけれど、それを補ってなお余りある「現代では出版難しいだろうな」レベルの現実をモチーフにした反体制創作。kindleアンリミテッド加入の方は読めるのでぜひぜひ。

 

狂四郎2030

徳弘正也によるエロディストピアバイオレンス。ネットミーム「おかわりもいいぞ」(飢餓状態の子どもにたくさん食べさせるが毒入り)の元ネタ。

 

【あらすじ】

2019年の食糧争奪戦争で、地球の80%の人類が死に絶えた後の2030年の日本。

国家に男女隔離政策がとられ、国民はバーチャセックスマシンを支給され人口抑制されながら主に農業などに従事している。

主人公、元兵士の狂四郎は、バーチャセックスを介して恋をした中央政府プログラマー、ユリカと「直接出会う」ため、様々な障害を乗り越える決心をする。

 

【オススメ管理社会ポイント】

ジャングルの王者ターちゃん❤』の徳弘先生のほっこりした絵から繰り出される暴力、性暴力、性悪説権力上位者が振るう容赦ない虐待に、狂四郎は暴力で、ユリカはエロでボッコボコのメッタメタにされ続けます。権力コワい、権力者全員嘘つき欲望まみれ大っ嫌い!!という気持ちになれます。なお同じく徳弘先生の『近未来不老不死伝説バンパイア』も素晴らしいエロバイオレンスのディストピアものです。

 

 

ジーンブライド』

高野ひと深による管理社会SF。フェミニズム視点からのディストピアを描く。現在2巻刊行。連載中。

 

【あらすじ】

毎日、新鮮に社会から受ける「女であることの不利益」に絶望している諫早依知。

ある時出会った元同級生の正木蒔人。彼から少しづつ、自分が忘れていた過去のことを聞き、そして自分と同じ顔の少女と出会う・・・

 

【オススメ管理社会ポイント】

最初はフェミニズム現代モノのような顔をして始まる本作。

しかし作中、いろんな違和感がちりばめられ、後々から「ンッこれ誤字?いや誤字じゃない、え、ナニこの設定・・・?」とページを振り返りたくなる、SFとして大変興味惹かれる作り。

2巻以降、全容が分からない全寮制の「学園」において、特に女子が厳しく「結婚に向けて管理」されている様子が描かれます。学園では女子に逃げ場はなく、笑って過ごすしか手はない・・・。現代社会にもつながっていく「管理社会」。

 

 

 

 

 

 

管理社会と言っても色々です。

ソ連をほうふつとさせる作品、貧困と格差のディストピア、女性を管理する学園のお話・・・

管理社会といっても色々ありますが、いずれも個人の人権を尊重しない、反民主主義思想から設定された世界観です。

どれも漫画作品として面白くってお勧めなのです。気になった作品をぜひどうぞ。

 

個人の権利が踏みにじられた先の世界、それがディストピア。こんな世界はマンガだけで十分だなあ私は。

 

 

9/26の漫画感想(1件)

本日の漫画感想はこちらの一件。

 

 

ちびまる子ちゃん』2巻

 

f:id:ima-nakayama:20220926215525j:image

 

静岡県清水区で相当な水害がありましたね(2022年9月25日)。

 

あまりニュースで報道がなく全容がわからないまま、本日は水が引いているようです。住民の無事を祈るばかりです。。

 

さてこの『ちびまる子ちゃん』2巻でも、家々が浸水する水害がテーマの回(まるちゃんの町は大洪水)があります。

1974年静岡県の「七夕豪雨」と名付けられた災害がモデルのようです。さくらももこも幼い頃に目にしたそうで、低地の一軒家の家家が水没して屋根だけ出ている様子が描かれています。

 

・・・が、この回、不謹慎回として現在はアニメでも見られないようです。

なぜかって牧歌的で楽観的にすぎるまるちゃんたちの様子。水浸しの家の前で写真を撮り、みんなでワイワイ野次馬に行く。死人が出た家にはたまらないでしょうね。。

 

 

 

で、まあ、ここから先はコンテンツの時代性の話ですけども、『ちびまる子ちゃん』2巻は1988年初版。

 

時代性としてものんびりとした時代で、こども目線のワクワクとして描かれたんだろうなと。

 

1988年は、現在2022年と比べて随分経済的に牧歌的でした。たしかにスマホもウーバーイーツもありませんでしたが、アラフォーの筆者の肌感として、子ども食堂は無かったし奨学金を20年以上背負ってる若者も居ませんでした。

(↓は生活保護の被保護実人員のグラフを引っ張ってきました。1988年は昭和63年で、平成と比べれば段違いに低いですね。。)

 

f:id:ima-nakayama:20220926221713j:image

厚生労働省生活保護の被保護者調査(平成 30 年度確定値)の結果』)

 

私は1988年の頃はこどもだったのですが、「現在より生活レベルは低かったけどみんな低かったから貧乏がそんなに気にならなかったな」とは思います。格差が少なかったんですね。

 

とは言えじゃあ格差が少なくてのんびりしてたから水害でキャッキャしていいか、と言われれば、これは人死にもあったのでNOですね。

 

しかしこれはさくらももこの芸風でもある落語のような他人事感、そしてなにより隠しきれない毒なのでもう仕方がない。

 

さくらももこは無害な漫画家ではなく、こういった確信犯的な毒を持つ漫画家でした。それが後年コジコジなどのシュールギャグにつながっていくのでしょうが、かわいらしい画風や庶民モチーフを取り払うと、割と「無邪気な邪悪」がウリだった気がします。

 

その邪悪は実に庶民的な邪悪で、大変な被害を野次馬として楽しめちゃう邪悪であり、「災害にあった人たちもなんやかんや楽しそうにしてるね〜」と被害者を自分の視野の範囲でコンテンツにしてしまう邪悪であり、とてもこどもらしい邪悪であると思います。

 

こどもの狭い視野で見れば、大災害は(自分が酷い目にあってなければ)ワクワクでした。

ちびまる子ちゃん』は徹頭徹尾こども目線で描かれた漫画で、かつ1988年のりぼんは完全に子どもの読み物だったのでそれで間違いじゃありません。

 

そして時代は豊か(というか格差が少ない)でのんびりしてて、こんな大災害が起こることも想定されていなくて、あくまで昔の苦労の思い出をカリカチュアして描かれたのでしょう。無邪気、無邪気コンテンツ・・・!

 

1974年の七夕豪雨は雨量500ミリ越え、2022年今回の水害(今は無名)も500ミリ越え。『ちびまる子ちゃん』の中では子どもの目線のワクワクする楽しい思い出話ですが、現在進行形ではそれどころではありません。

 

1日も早く復興が進むことを願うと共に、この被害を忘れないようにしないといけません(忘れると支援が打ち切られたりするので)。『ちびまる子ちゃん』を久々読んでそんなことを思いました。

 

↓正直いって報道が少なく、あまり情報がないのですが・・・2022年9月26日22時現在はこんな感じのニュースがあります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/47810fe811af7940f631c3434f1a1a0120e6893e

先週読んだ漫画感想まとめ(9/19週4日分7件)

先週読んだ漫画の感想記事のアーカイブです(9/19週4日分)

 

 

 

記事ごとに書いた漫画感想のタイトルを並べています。好きな漫画、気になる漫画の感想を読むもよし、とりあえず全部読んでみるもよし。

 

 

9/19の漫画の感想(2件)

 

  1. [46話]ハイパーインフレーション
  2. ドレスを着たかった男の子がファッションショーに出る話(タイトル不明)

 

『ドレスを着たかった~』はTwitterの作者PR漫画のためタイトル不明。デビュー作だそう。[装う]ことのダブルミーニングに脳みそが「快ッ」となるよいエンタメでした。

ima-nakayama.hatenadiary.com

 

 

9/20の漫画の感想(2件)

  1. 袋につめて
  2. 断腸亭にちじょう 20話

『袋につめて』は川崎市市民ミュージアムが保存する漫画原画の水害被害修復レポ漫画。すごく良い営みなので拡散されてほしいっす。英訳バージョンもあるので海外のお知り合いにもぜひどうぞ。

ima-nakayama.hatenadiary.com

 

9/21の漫画の感想(2件)

 

  1. 『My Baby』
  2. 『Cold apartment』

『Cold apartment』、かわいい絵と血まみれゴアがイイ感じ!KAWAII×病みの黒ゴス気分で身体の断面も見られるのでお得な一作。

ima-nakayama.hatenadiary.com

 

9/23の漫画の感想(1件)

 

  1. 『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』

 

1作の感想文だけに、少しロングな感想文。かわいい~イチャラブ漫画ですが、社会制度や漫画表現にも幸せが満ち溢れておりいいマンガだなあ。

ima-nakayama.hatenadiary.com

9/23の漫画の感想(1件)

このエントリーに書いた感想は以下の1件。

 

 

 

Webマンガリンクはエントリー公開後時間が経つと閲覧ができない可能性があります。ご了承くださいませ

 

 

『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』

ここは様々な種族や属性が暮らしている世界。他者とは違った個性が交わり、働き、交わり、恋をする・・・そんなふつうの世界。

透明人間の透乃眼さんの探偵事務所で働く盲目の人間女性、夜香さん。紳士な透乃眼さんとおっとりした夜香さんは実にいい雰囲気ッ・・・!

 

普段はゴアでスラッシャーで内臓をふりまくマンガを読んでるんですが、こういう漫画もいいものです。

えー、この作品、非常に好きなんですけどもッ

しかしながら論じるポイントがたくさんある(良い意味で)ッ

  1. ・障害についてとてつもなくナチュラルに表現されていること
  2. ・目が見えない女性×透明人間の紳士×マンガ表現の掛け合わせ
  3. ・とても幸せな!!イチャイチャ!!!ハッピー!

まず1、障害について、

主人公の夜香さんは盲目の人間女性。探偵事務所の事務として、点字ディスプレイを使ってスケジュール管理や経理、備品管理をしています。

作中、盲目であることのコンプレックスや苦労が語られることはほぼなく(白杖が自転車に絡んでしまうハプニングなどはあるけれど)、盲目についての「社会の障害」を感じることはありません。なにせ獣人や異星人のような人々が様々に入り乱れているので、制度や法律自体が様々な規格になっているのだろうと推測します。

「障害」って、こと社会とのかかわりの話で言えば「社会の障害」なわけで。目が見えなくても、見えないヒト用のガジェットや制度が整備されていればそれは障害じゃなく個性になるわけです。『透明男と人間女~そのうち夫婦になるふたり~』の世界は、そのフェーズに突入したものすごく幸せな世界だな~とハッピーな気持ちになるっていうね・・・(あと浅学にて「点字ディスプレイ」について初めて知りました。こういうガジェットの周知になるのもいいっすね。)

 

2つ目、・目が見えない女性×透明人間の紳士×マンガ表現の掛け合わせが楽しいっていう。

目が見えない女性の世界の感じ方(匂いや音、体温など)を漫画という絵で表現すること、そして透明人間という特徴を持つ透乃眼さんのすごくかっちりしたスーツが「浮いてる」状態の絵が続く、漫画としては異質の表現。

夜香さんは目をつぶって過ごしているし、透乃眼さんは顔がそもそも描かれないので、「目の演技」「顔の演技」が全くない状態でラブストーリーを進行させるのってすごいなって。

また「見えない女」と「見えない男」の心の交流がベースなわけですが、それってすごい絵ですよね。お互いそれぞれ「画としてのイメージ」感知に難のある特性があって、ふたりは感覚で恋を育てるのを、読者は漫画の絵として見てる。すごく面白いなと(しかもそれは不幸なこととは全く!描かれていないし)。

またkindleだと背景に青色1色で彩色されていて、それもちょっと異色。背景の着色って演出に関わると思うのですが、紙本だとどうなのかな?と取り寄せ中でございます。

 

そ、し、て、3とても幸せな!!イチャイチャ!!!ハッピー!がねッもうねッ!!!

もうねえ、↑の1.2.の双方をすべてぶっとばす、約束されたふたりがもじもじ恋を進める様子をにこにこにこにこ眺めちゃうわけ。

これはもう私個人の好きの話なんですけど、恋の行方じゃなくてもう恋している二人がどう恋を育むかっていうのを煎茶とかをすすりながらその甘みを堪能したいわけでね・・・かわいい、いいですねかわいい・・・透乃眼さんちょっと手エだすの早くないですか夜香さん泣かせたら承知しないかんねマジで(本気)

 

 

 

と、すごく刺さった小さなSFファンタジー。9/28に2巻も出るからもう予約したから!

 

↓で試し読みもできるので気になったらぜひどうぞ。