このエントリーに書いた感想は以下の2件。
- 『マーメイドインザボトル』
- 『回顧 冬虫カイコ作品集』
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『マーメイドインザボトル』
母親が経営する化粧品会社に勤めるたける。
妹が手に取った試供品の中には、小さな小さな人魚が入っていた。
兄と妹のボーイミーツガール。
家族への愛憎半ばの気持ちと、少し危うい兄への気持ち。
『回顧 冬虫カイコ作品集』
女に対しての同調圧力が万力のように締め付けてくる6編の短編から成る短編集。
いとこの葬儀に帰った地元で伯父に謝ることになる女、田舎の美術部の幼い優越感を競わせてしまった友人同士・・・
逃げられない土地、逆らえない人たち、閉塞感。
ちょっと個人的な話をしますと、
私は新興住宅地生まれ、その上ADHDという「人の話を聞かない」ことに定評のある特性もちで、女として生まれても親戚からの圧力はなかったし親の「地元で就職してほしい」もオールスルーで生きてきたわけです。
そのため女ゆえの縛り、みたいな辛さはあんまり味わってこなかったと思います。
が、が、そんな私ですら背筋の凍るようなこの閉塞感!!!
閉塞感のひよっこの私ですら「こ、こわあ~~~・・・」と感じるのだから、きっとちょい地方の出身の女性の方はめちゃくちゃ、めちゃくちゃ怖い作品なんじゃないかなあと想像します・・・。意味わかんないよねおじいちゃん的存在の意見と違うこと発言すると謝らされるとかさ。
ちょっと大きい話になるけど、農村ベースのヒエラルキーとしての家父長制について、現代ではもう我慢しなくて大丈夫なんだよねえ。今、お金さえあればその共同体から逃げることってできるから。
だからこそなお、年長者(ヒエラルキーの上の方)は下の方を縛り付けるのに躍起になると思うし、過渡期が一番激しい摩擦があるんじゃないかなと思って。
逃げれば追われる。つまり逃げかけている人ほどキツイ反応がくる。
キツイ反応がきたらしめしめと思うのだ。あなたは今、逃げるのに成功しかけている。そのまま後ろを見ずに走れ!