漫画のことと本のこと

漫画好きが読んだ漫画や本の感想を書くブログです。

『トライアンヘル』(読み切り)感想〜レベル高すぎ構造サスペンス〜

ジャンプ+でまたレベルの高い読み切りがあったのでご紹介です。

 

構造的なサスペンスが好きな方にぜひおすすめ!

 

 

「トライアンヘル

shonenjumpplus.com

 

作者 平田将

掲載 ジャンプ+

 

 

【あらすじ】

スマホの通話記録。

2人の女が交互に映る画面は、ある事件の映像資料であった。

誰が、何を、誰に、なぜしたのか。

ホワイダニットでありフーダニット。

スマホ画面の連続性に胃がキリキリするサスペンス。

 

 

【感想】

 

感動!

 

スマホ画面連続が主画面。

スマホの中のプライベート画面を延々、同じコマサイズで描く構造が素晴らしいー!

 

サスペンスで連続画面、過去で言えば監査カメラ映像だと思うのだけど、スマホという個人性が事件の密室ぶりを高める。

 

 

多分、スマホ履歴で犯罪を知る漫画はたくさんあると思うのだけど、『トライアンヘル』はスマホ通話という「なんか信用できねえもの」も描いているのが素晴らしくって。(以下抽象的に部分ネタバレ)

 

代わり映えのない定点画面の連続は簡単にちょっとした変化を見せられて。


後半、2人の服の方向性が明らかに入れ替わってて、服のせいもあって「え?この女はどっち?え?そもそもほんとのことを言ってるの?」と疑惑が生じるっていう。すごい!不安装置としての定点観測スマホ画面!

 

それにしてもナツとアキコが服を入れ替えたの、ナツの願望のような気もしなくない。「首」をすげ替えたかったのかな、なんて思うと、犯行の方法や後半のネッチョリした狂気がまた哀しく感じる。おすすめ〜!!!