その日読んだ漫画の雑感をまとめておくエントリです。
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本日は15件の漫画の感想です。
- 「[第1話・第2話]夏の終点」
- チャンピオンRED2023年12月号『バキ外伝 花のチハル』
- モーニング2023年52号『だんドーン』
- 「[第149話]チェンソーマン 第二部」
- 『嘘つき大工と神様の木』
- 週刊少年チャンピオン2023年52号『ブラックジャック』
- 『ザ・キンクス』第8話 フラグメン
- 『断腸亭にちじょう』
- 「[第81話]ラーメン赤猫」
- 『正反対な君と僕』
- 『線場の人』第八話
- 「[第130話]ダンダダン」
- 『まんがパレスチナ問題』
- 「[第93話]株式会社マジルミエ」
- 『もしかしたらそのへんにいる』
「[第1話・第2話]夏の終点」
朝の7時、
私はガラガラの電車の決まった席に座って、30分程経つと彼がやってきて。
中学生のナツは、電車でよっつ隣に座る、相沢くんを見つめてる。
淡い恋を極力少ない線で描く。
心のそよぎをコマの空白に感じる、余韻を味わう恋物語。
これはなんとも儚いような繊細な線画。
引き算に引き算を重ねて、顔のパーツ(特に目)を描かないとかの「空白」にいろいろ思いを馳せる。
セリフも極端なまでに少ないものの、古典的な恋物語のフォーマットなので読み取れないことはないはず。思い切ってバッサリ切った説明やコマ数。線画は繊細ながら画面使いは逆説的に「大胆」と言っていいほど。
物語としてはものすごく古典的というか、この画面でいきなり「ヘエーーイッ!!」とか言ってゾンビハンターとかが乱入してくる感じじゃない(極端な例)ので、あくまで時が止まったような、ある意味で懐古的な雰囲気を楽しめる漫画だと思います。
ガラケーとDS持ってる中学生ということで90年代?(自信がない)。自分のこどもの頃と重なるんだけど、こんな線画じゃなかったな私の世界(藤田和日郎の線だったぜ)
※ちなみに平成中期くらいでは・・・?という情報を得ました。まあ正確ではなく、バックリと把握して楽しめるマンガなのでそれでいいのかなとか。
チャンピオンRED2023年12月号
『バキ外伝 花のチハル』
>旧態依然としたたたずまい、圧倒的精神性に裏付けられた存在感!
暴走族特攻隊長・柴千春の衝撃のエピソードが描かれるッッ!
(秋田書店より引用https://www.akitashoten.co.jp/comics/4253322611 2023年11月21日閲覧)
私。。できるだけ漫画のあらすじは読んで自分で書くようにしてるんだけど、バキはいろんな外伝もあるしそもそもバキ自体もあんまり知らないのでもうお手上げです。
作画が板垣恵介じゃないんだけどものすごい「似クオリティ」で、特徴のある絵とは言えどこんなに寄せることが可能なんだなッ・・・
って、バキの本職の人(読むのに)からしたらやはり何か違う?話運びもバキっぽさ〜って思ってるけどやっぱちょっと変ッ?わかんないッぱっと見めちゃくちゃ似てるよ!※どうも現在の絵柄より昔の絵柄に寄っている様子?って情報を見ましたよ
というわけで躍動する肉、あり得ない肉弾戦、特盛のケレン味と、私の記憶の中のバキではありますが満足。バットで人殴るとあんなに飛ぶんだ?フーン??頬骨の下の頬骨筋?みたいのもいいっすねバキにしか無いバキ筋!
高校生の頃、美術部の友達が「バキの筋肉あり得ない」って怒ってて、とっさに「あれは筋肉の抽象画なんだよ」と言ったら納得してもらえた覚えがある。割と当たってる気がする。心象風景としての筋肉。
モーニング2023年52号
『だんドーン』
第19話不名誉で不衛生で不適切な一日
幕末、薩摩藩。「息をするように人がされると嫌なことがわかる」薩摩藩藩士、川路利良。この人こそ日本警察の父と呼ばれ、西郷隆盛と共に日本を動かした人であるッ!
漫画の紹介をする時、ジャンルの紹介をする(それは逆に、私がその漫画をどう思ってるかってこと)。
だんドーン、「幕末史実トリビア下ネタコメディ」かな。。
明治に続く怒涛の動乱期。いっそ下品なコメディにした方が飲み込みやすいなッて気もする。「よッ拷問上手ッ!」とか、半笑いじゃないと見らんないもんな!(当時は人権とか無いから)
でもさすがにちょっと、という19話。
薩摩藩下級藩士たちに焼酎の口移し飲みが流行ってると聞いた川路たち。ひょんな話の流れで、政局キーパーソン、島津久光と大久保利通が口移しで焼酎を飲むか飲まないかの鍔迫り合いッ!!
・・・オレは何を見せられてるんだ?
読者目線でのゲイフォビアが全く入っていないとは言わないですが、男性同士のマッチョな親交は普通な世界で、なんかそこが主眼じゃない気がします。
どっちかってと、政局を動かす局面が半笑いっていう「幕末ロマンをおちょくる」感じになってて、アッ怒らないで・・・!
幕末ロマンって、ほんと、ヘラヘラ扱うと烈火の如く怒る人がいるジャンルで(ぶるぶる)
理性と威厳と合理と熱情、「その時歴史を動かした男たちがいた」みたいなカッコい〜いジャンルを、「政治を動かす!それならチュー!!」みたいな、ヘラヘラしたマックスおふざけで描いてるの、
いいぞもっとやれ〜(セオリーが壊されるのにゾクゾクしちゃうタイプ)
「[第149話]チェンソーマン 第二部」
いやあ、チェンソーマンは最近面白くなってきてよかったなあ。
「家に飼ってる犬猫にご飯あげたいから帰りたいデンジとナユタ」VS「公安で身柄を保護する一点張りフユコ」
ナユタが支配の悪魔っぷりで暴れて大変良いですネ。直接攻撃じゃないいやらしさも「おっマキマさん!」ってオーバーラップして嬉しみ。
でもこれ、ふつーにナユタが正しいじゃんね。
犬猫にご飯あげたい、って、権力機関の都合なんか上回るすごい当然の要求じゃん。家族がお腹すかせてるのに拘束って人権侵害だよね。
最近、「社会ルールを守ることの是非」ということについて考えるんですよ。
社会ルールを守るのって人権を平等に守るためだったはずなんですが、「守れる人だけ守れるもの」になってるケースがある。知的障害の女性がどうしようもなく自宅出産して嬰児遺棄して法律違反!とか。元から守れる人専用じゃんそんなの。
フユコはペットを飼ったことがないんですかね。ペットがお腹を空かせているって、すごい残酷なことですよ。
で、チェンソ世界ではその辺を暴力で解決。最も早い言語、暴力!まあこれはバイオレンスアクション漫画なんでお許しください。
『嘘つき大工と神様の木』
どこか遠くの南の島。
「白夜香」という珍重な香料を生む神様の樹を盗もうとするグァン。彼にはそれをやらなければいけない理由があった。
エキゾチックな舞台で語られる哀しい物語。ファンタジー、情愛、そしてオリエンタルな逃避行!
物語と歌と踊り。まだ文字がない世界で紡がれる自分自身を欺く嘘(物語)。嘘つき大工でいなきゃいけなかったのは、どうにもならない世界に抗うため。
いいお話なので具体的なネタバレは避けて、めっちゃ個人的な話をしますけど・・・
こう・・・自分を生かすために自分に嘘をつくことって、あるじゃないですか。分かってるけど、抗えないこと。
現代だとそこに社会運動とか署名活動とか選挙とかで抗う方法があるんですけど、そういうものがなかった時代に、せめて自分に嘘をつくことって、それ自体が生存、だった気もするんですよね。
「現代だと~抗う方法がある」って↑で書きましたけど、その道ってすごく遠いんですよ。本当にセンシティブなこと以外、小さなことは飲み込んでいるって現状は否定できないけれど、少しでも抗いたいですよね。
結末の付け方、私はめちゃくちゃ好きです。そういう抗い方!って思いました。どうですかねえ。
理屈っぽい評も↓
すごくいい、挑戦的なお話だなと思いましたね・・
ラスト一ページもすごく詩的で美しい。「静かに殺し合いながら」「天へと枝葉をのばしている」シブい。。
ただだからこそ、
舞台を過去の第三世界(通貨概念があるということで、すでに植民の概念はありそうです)にすえ、物語歌踊り、という伝承を取ったからこそ、「その時代に親と子の関係性ってそんなに強いものかな?」というのは思いました。
口承の伝承だけをつないでいる世界は、血縁主義が薄い文化圏もあります。文化をつなげば血のつながりは関係ない、という社会の在り方ですね。
そのセオリーに則れば、グァンの息子はもはやララチタなんじゃないか、という見方もできます。もちろんララチタはもう物語も歌も踊りも紡ぐことはできないけれど、グァンが体に覚えているゴムの木を彫りつけ、ララチタはそこと同一化した。グァンの物語の流れに入った、と言えるでしょう。
でも、「静かな殺し合い」で、ララチタもいつか滅びたかもしれませんね。
私はそういう、風のように立ち消えてしまう文化に想いを馳せます。他者を襲い、蹂躙して生き残った文明上に生きてはいますけど、そんな見苦しい文明を軽やかに置いていく圧倒的な生命の流れ。
週刊少年チャンピオン2023年52号
『ブラックジャック』
AIと人間がブラックジャック新作を描くプロジェクト!
このチャンピオンは買っといた方がいいかも。AIによるプロット出力と人間によるペン入れ。「手塚らしさ」をアウトプットするために慶應・栗原研がAIと人間を仲立ちするインターフェースを生成。チャンピオン本誌でその工程を詳しく紹介している。
私はマンガ読みでAIには詳しくないので、アウトプットされた漫画への感想を。
「科学の私」と「エモの私」で真っ二つに分かれてて。
科学の私はめちゃくちゃ興奮してる。いやーおもしれえ。AIが生成したオリキャラ(ペン入れは人間)は、男キャラは手塚っぽさがなくて女キャラはある。BJ、ピノコ、Dr.キリコなど従来キャラはペンタッチが手塚模倣だけどオリキャラには戸惑いが。また、話運びも手塚感があるようでないようでうひ〜ザワザワするう(喜)!
でも、「エモの私」は
先日、『ブラックジャック創作秘話』を読んで、あの作品は「人間・手塚治虫が偏執的なまでに自作のクオリティにこだわった」ことを表現した漫画で。
あの漫画で「手塚治虫は不満のある回を印刷されると静かに泣く」と描かれてて
イイノカナ、なんて。。
さて、もう少し突っ込んだ感想を。
私は、今回のお話にAI倫理を重ねて見ました。
ブラックジャックは生命への血を吐くような問いの話で、手塚治虫の戦争経験や医学博士としてのバックグラウンドも含めて「食べて」いた。
今回の新作で、内臓を全て機械に置き換えられ、植物状態の患者の手術を断ったBJに対してピノコが「人間てなんらの?」と問うのね。
秋田書店も意図していると思うけど、
どこまで内臓を取り替えれば人間じゃなくなるの?というピノコの問い、
これはそのまま、どこまでAIにまかせると人間の創作じゃなくなるの?ということにも置き換えられ、
そのテキストを出力しているのがAIという、まあアドレナリンが止まらないやつですよ(アドレナリンを脳内から汲み出しながら)。全部含めてSFだ!
ただ、その辺のことを忘れて作品として見ると、厳しいことを言いますがガタガタです。
ピノコに深淵な問いをさせ、キリコのうかつな行動、また新アイテムがあまりに手塚とかけ離れていて、流石に違和感で飲めない。それならBJじゃなくていい。(この新アイテムは今回のプロジェクトの目玉でもあるそうなので、ここが飲めないのは私との解釈の乖離)
科学的な意義はめちゃくちゃあるし、秋田書店はよくやった!って思うよ。
でも楽しく見るならファンタジーの方が良かった気がして、
『三つ目がとおる』だったら素直に面白さの話ができたと思う。でもそーじゃないんだよね。BJである必要があったんだよね。たぶん。
それにしても新作ブラックジャック開催のチャンピオン、AIの出力したテキストと、それに人間が加えた「エモ」の比較があるんだけど、面白いな。。。
AIは面白さ(スムーズな話運び)優先でテキストを作ってるんだけど、人間がそこにウェットなレガシー要素「親子関係」とか「ピノコのアシスト(ピノコの出番)」とか「本間先生(ブラックジャックの信仰)」とかの【ブラックジャック読者が求めるもの】を入れてる。
この全てが私には臭みに感じたところで、私はAIちゃんが素直にアウトプットしたモンの方が面白かった気がするんだけど、これほどの有名作ともなるとそうともいかないんだろうね。うーん、完全AIちゃんのものを読んでみたいな。
『ザ・キンクス』第8話 フラグメン
笑いとテツガク、日常と「何言ってんの?」。
その閾値は知らぬ間に訪れる。笑え読者よ。そして振り返った時、あなたはやっぱり笑っている。
下品じゃないシュールじゃない、ちょっとシュールな榎本俊二。
おれは「バスの切り替え」をこんなスペクタクルとして描いたギャグ漫画を知らない。たまたま集まっちゃったゆきずりのメンバーの努力が今、結実する。
いや何言ってるかわかんないと思うけどまあ読んでみたら普通に面白いので楽しんでもらって大丈夫。その面白さを深読みしたければ、秋の夜長のお楽しみとしてウイスキーでも飲りながらいきましょう。
しかしこどもの通学路の旗振りにお父さんばかりが集まるの、割と最近は実感があるというか。保育園の送りも三分の一くらいお父さんだし(三分の一はおばあちゃん)。
女性の社会進出が進んだ、みたいな言い方よく聞くけど、男性の社会進出も進んだじゃあないか。旗振りも社会だもんね。
『断腸亭にちじょう』
ガンになったひねくれ漫画家、ガンプ。時にデフォルメを効かせ、時に写実的に、ガン治療の感情を漫画の絵で強弱をつけるひねくれ闘病日記。
今日はなんで死の話ばかりしてんのかなあ(朝にこどもに死後の世界の話をした)
放射線治療がひと段落したガンプ。世界は回り続け、身近にも、ニュース(世間)でも、人が死んでいく。死はいつでもまとわりついてくるのに、ガンプが【この瞬間に】「なんで俺死んでないのか」について出した答え。
ハイデガーが、「他者に引きずられる人間が本来性を取り返せるのは、死を決意した時(意訳)」と言っていたけれど、そーはゆーてもなー、とは思う。
ガンプはこの話が始まってからいつだって死を意識している。じゃあ何ができるかって、碌な食べ物も取れずに検査・治療・排泄して痛みに耐える。
ハイデガー先生よ、これって本来性かい?
ガンプは漫画家だから、漫画を描いた。その表現の妙は認められて第27回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の新生賞を受賞した。
死を意識してなお、世間の評価が与えられる。
ハイデガー先生、人は死を決意しても社会と切れる必要はないんじゃないかい。
「[第81話]ラーメン赤猫」
ラーメン赤猫は猫のラーメン屋・・・・って、ごめんあらすじは今日はよすね!
アニメ化する〜!!!
いや、この漫画ね、最初はインディーズ枠(編集のつかない、言うなればジャンプラをプラットフォームとしたカクヨムみたいなもん)でスタートして、人気が出て通常枠になり、そしてアニメ化・・・・
夢があるねえ・・・・!!
私は同じくインディーズ枠の『ゴダイゴダイゴ』もアニメ化していいクオリティだと思ってるんだけど(ただインディーズ枠から絶対外れず、でも人気が出たからコミックスになってんのは作者のこだわりかなんかがあるのかな・・・・)、
やっぱり面白いもんは人気が出るんだね。いやあこういうの夢があります。
今回の『ラーメン赤猫』本編も夢のある話。虎であるクリシュナちゃんに法的人格(この世界の、猫に人格が認められるための学科・面接などを経た試験結果の上付与される人格)が付与されるのか・・・・!?って、いやある意味夢がないのかコレ??社会的に活動する猫たちの生活に寄り添え!
『正反対な君と僕』
フフ・・・・・・・・・・・
『線場の人』第八話
※非常に差別的な発言があるので注意
日本は第二次世界大戦に敗戦した。
日本人女性や日系アメリカ兵、家父長制の下に敷かれたものと国家間の下に敷かれたもの。あるアメリカ兵はジェンダーアイデンティティを戦後の混乱で踏み荒らされる。
個人を尊重する暇もない社会的混乱の中、ではアイデンティティがなくなるかと言われればそんなことはない。
毎回、どうしようもなく苦しい想いを描く『線場の人』。作者の方はアメリカ在住の日系アーティストだそうで、戦後の復興神話をいい意味で冷たく無視した物語作りに信頼がおける。
これは私があまり解説をするところではなくて、個々人読んでもらってってことになる(でも本当にキツイので余裕のある時に)。
私個人の感想としては、
だから戦争嫌なんだよ。戦場だけが戦場じゃない。日常も引きずりこまれる。個人も、精神も、歴史さえも暗い穴に引きずりこまれる。死なないだけマシ、という言葉で全ての個別性が無視され、そして残念ながら確かに死なないだけマシなのだ。
オレのよーな障害者は真っ先に黙殺される。戦争になんのいいことがあるっていうんだ。
「[第130話]ダンダダン」
オカルト×アクション×カタルシスッ!の2023年最高峰!実家が神社のモモは学校の怪異に触れ、怪異を体に宿す友達たちと・・
って、今日はあらすじはやめとくねッ!
アニメ化〜〜!!!
『ラーメン赤猫』でこの流れやったな。いやあ華々しいなあ。
でもダンダダンやるなら、それはまじで最高のアニメーション会社の精鋭全投入、みたいな話になるんだ。アクションで全部語るやつだし
でも。。アニメ業界、今、ホラ。。
ダンダダンやるのに「動き」が無いのはだめなのよ。他の漫画は「いやそんなに動かんでも」とかあるけど、ダンダダンは「いやもっと!街が壊れてないッ!壊せっ!」みたいな、ほんとそういう漫画なんだよ(なんでこれアナログで週刊連載してんのかほんと意味わかんないよ)
アニメ、もう始まる前から労働環境にヒヤヒヤしてしまう。なんか。。1ヶ月に一回のスペシャルアニメとかの扱いにしてもらえんもんかなあ。。
『まんがパレスチナ問題』
深いため息が漏れる。
ふたりのこども、ニッシムとアリ。イスラエル人とパレスチナ人である2人がパレスチナの歴史を2000年以上昔から振り返る。
今日の侵略に宗教が無関係、と言ったら嘘になる。
でも、第一次世界大戦ごろから勃興した醜い西欧の嘘と暴力がイスラエルを追い詰め、カネとアメリカへの政治ロビイングで力を蓄えたイスラエルがパレスチナを襲い、パレスチナはインティファーダ(非戦闘員が石を投げる抗議)から最過激派ハマスが育つ。
今も世界各国でユダヤ人たちが「自分たちの名前で暴力を振るうな」と抗議をしている。西欧の市民たち(日本も含め)はデモを行い、バイデンはイスラエルに停戦の延長を打診するまでになった(これもパフォーマンスかもしれない)。
漫画といっても文章のメインに理解を促すイラストが付いた、というスタイル。戯画化されつつも明確に「それ」と分かる国家元首たちの似顔絵はヨーロッパのカリカチュアの影響下にあると感じる。平易で分かりやすく、狭いコンテクスト(漫画的なお約束)を要求しないので普段漫画を読まない人にも読みやすいはず。
続編はアラブの春やイスラム国の話題も解説しているそうだ。こちらも読み進めたい。
「[第93話]株式会社マジルミエ」
ベンチャー企業×魔法少女!
街に仇なすモンスター、「怪異」を退治する「魔法少女」が職業として認められ、その派遣業務を行う会社が・・・って、今日はあらすじはよすね!
アニメ化〜〜〜〜!!!
って、ええ。。。
月曜日の『ラーメン赤猫』
火曜日の『ダンダダン』
水曜日の『マジルミエ』
ジャンプラでアニメ化しすぎやないかい。。(ええ。。)
いやいいんですけど。私アニメファンではないので(動画コンテンツが苦手)、私が口を出すところじゃないんですけど。
でも、こうも独占化がすすむと、加熱して労働条件がまた悪くなるんじゃないかなあと懸念はしますわね。。
お話としては魔法少女(成人してるのに少女なんだな)の変身エフェクトも映えるだろうし、最近2部になってレジスタンスめいてきたのもすごく良くて面白いですけども。
。。まさか曜日で連動してアニメも放映する、とかってやるつもりだったり?いやそこまではまさか・・・。
『もしかしたらそのへんにいる』
ヨグリーレディの吉田さん。おしゃべり・朗らか・ぽっちゃりのthe・おばさん。町のみんなの顔見知り。そして町の平和は吉田さんが守るッ!奔る悪への怒り!華麗な体捌き!おばさんヒーロー爆誕ッッ!!!!
ついに来た・・・かけらも美しくないおばさんがバトるおばさんヒーローものッ!!
制服は軽く見積もって3L。非効率のかたまりのよーな無駄なおしゃべり。そして悪漢現る時、サンバイザーの下の目が光るッ!
いやあ・・・ありがたやありがたや。Webアクションでは優しいおじいちゃんコンビニ店員の元ヤクザ『島さん』なども人気だったのでやって欲しいなーと思ったら、100点満点のビジュアルでお出ししてもらいました。
作者はSal Jiang。『白と黒~Black & White~』など「暴力百合(いやこれキャットファイトなんて言い方が生ぬるいくらいボコり合うんだ女同士で❤️)」が光るクリエイター。殴り愛のお点前は以前に拝見いたしましたのでじゃんじゃんやって下さい。
なお、隠しきれない野田サトルみを味わってしまっているのは実のところあるッ!絵のテイスト、間合い、ギャグ。ありがとうッ!!楽しみにしてるッ!
ブラックラグーンのバラライカ、幽遊白書の幻海師匠、アームズの美沙ママ。実写『ピンポン』のオババ(よりにもよって夏木マリ!)
だまれだまれ却下だ!もっとアイスクリームと炭酸飲料の好きそうなオバチャン持ってこいッ!!下着はイトーヨーカドーで買うけど武術は達人!!それがオバチャンヒーロー!!
※なお「下着はイトーヨーカドー 」は、安野モヨコ『脂肪という名の服を着て』で主人公の太った女の子「のこ」が、周りの美人から鼻で笑われる発言ですな。イトーヨーカドーの下着を纏い悪を屠る~ッ(いや別に『もしかしたらそのへんにいる』の吉田さんがヨーカドーかは知らないけどニッセンかもしれないけど)