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『ネオ・キャット』感想〜猫社会派SFだ!モノ言う猫たちのちゅ〜るを伴う社会的生活〜

これは良いですぞー!

 

喋る猫がいる世界、社会生活を通して猫生(人生的なモノ)が流れていく社会派SF!

なおちゅ〜るのある世界で猫好きも満足。

 

あらすじと感想をご紹介します。

 

 

『ネオ・キャット』

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 青化『ネオ・キャット』 祥伝社2021年 より引用

 

 

【あらすじ】

海辺に暮らす老齢の絵描き。

 

人との付き合いが苦手な彼は、マッチングアプリで「好きなDVDを持って待ち合わせ」をした。

 

彼が持っていったのはリュック・ベンソンの『Le Grand Bleu』。

 

果たして相手は来た。それは同じく『Le Grand Bleu』を持った猫、「きくお」であった。

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青化『ネオ・キャット』 祥伝社2021年 より引用

 

それは進化と呼べるのか?猫が社会生活を送る世界。

 

猫に惑わされるヒト、猫を求めるヒト。軽やかでユーモラスな短編8編からなる猫SF

 

【感想】

 

これは傑作ッ!

 

時に移り気なマッチングアプリの相手として、時にやり手のホスト(ネコホス)として、時に大企業のCEOとして。

 

猫たちがあまりにもさりげなく猫生(人生的なモノ)を送るSF。

 

猫の自立性(キャティズム)を思考する猫がいたり、猫たちはこの世界で社会的に強くないという描写もあったり。

 

でもヒト弱者のメタファーではなくあくまで猫。社会風刺じゃなく猫。

 

 

 

何かを啓蒙するタイプのSFではなく、「猫が喋れて共に暮らせたら?」を描くif物語です。

 

と、真面目なSFと見せかけて、ちゅ〜るネタ含めた猫あるあるも盛りだくさん。

 

SFが好きな方、猫が好きな方に広く勧めたい傑作猫SFです。オススメえ〜!