漫画のことと本のこと

漫画好きが読んだ漫画や本の感想を書くブログです。

『夢の端々』※漫画の感想〜ほどかれる時間の漫画体験をぜひ〜

 

『夢の端々』


作者は須藤由美
上下巻完結。祥伝社。2020年。

 

2人の老女の再会。2人の関係性が時間を逆回しに語られる・・・

 

 

百合、というのでしょうか。


私は恋愛漫画に疎くて,あまり詳しいジャンルを知らないけれど、女性同士の、執着のような純愛のような感情が絡み合う半生を時間逆再生で読ませる漫画です。

 

あのね、これホントすごくて。あまり言いたくないからもう興味があるなら読んで欲しいんだけどそれでも書いちゃうんだけど、

 

花のね、落ちるまでをね、逆再生してるみたいな感じがするんだよ。

 

物語の始まり、2人が出会う瞬間は、それこそ孫や娘、ひ孫に囲まれ、妥協と生活に縛られた2人の会話。見た目も、心も、老いていて。

 

お話の時間が戻るにつれ、若く、強く、溌剌とした状態に戻っていく2人。年齢なりの諦めも、生活の妥協も、若くなるにつれ純粋な状態に戻っていく。

 

そして2人の関係性も、逆再生であらわになっていく。

 

読んでて「うはっ!?」ってなったもん。

このドラマ作り、魔法かよ!!私の心がゴリっと動かされたよーー!!

 

 

めくるめく漫画体験。


私は漫画の「時間を自分でコントロールできる」とこが好きなんだけど、この漫画には「時間を支配」された・・・!良い漫画体験でしたッ!