その日読んだ漫画の雑感をまとめておくエントリです。
リンク切れや無料期間公開終了などご容赦くださいませ。
本日は4件の漫画の感想です。
ウィングス 2023年08月号『百姓貴族』
荒川弘による、実家北海道十勝の農家ルポエッセイ漫画。
今号は荒川弘の実家に編集イシイさんと編集長をお招きする取材編。
広大な敷地でクマの子供の足跡を見つけ「大自然に生かされてるんじゃなく大自然に殺
されずに済んでいる」という名言が飛び出す。原始宗教の興りだ。。
2022年の話なのでコロナや給食での牛乳消費減などハードな話題に※印で「2023年はも
っとハード」と書かれている。※で書いてイイ話じゃない。農家さん本当に大変だけど頑張ってほしい。
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週刊漫画TIMES 2023年8/11号『解体屋ゲン』
ビル解体業の小さい会社の社長、ゲン。しかし彼は海外で「ダイナマイトビル破壊」の修行を積んだ土木のスペシャリストであり、日本の建設業を憂う「行動する人」でもある。
大企業とゲンさんをつなぐハブ・住菱建設技術研究所 情報システム統括部所属の専門研究員、谷により、今回ゲンさんと組むのは現実に活動しているYouTuber(作中はチューチューバー)「石男くん」!
建設ニュースを動画配信する石男くんは、少子化に伴う都市のインフラ再整備・・・つまり国政へのアプローチを動画配信しようと提案する。
解体屋ゲン、ルポどころかある種の啓蒙・活動マンガとなっており、エキサイティング甚だしい。
「石男くん」の動画は見たことがないけど、何かの未来を考えた時に政治に考えが及ぶのは当然。というか、本来全てが政治につながっているので必然と言える。
面白い試み。期待。
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ペリリュー ー外伝ー2 ペリリュー 楽園のゲルニカ
参考文献の嵐と、第二次世界大戦の孤島でゲリラ戦を強いられたペリリュー島の生存者ヒアリングをして描かれた『ペリリュー 楽園のゲルニカ』。
本編のキャラクターを深掘りする外伝の2巻目。
外伝1よりさらに突っ込んだ内容。
当時において、「昔の友人がスパイ容疑で捕まって、否定はしてもその後なぜか激戦地に招集される」・・・懲罰招集、というものの可能性を濃厚に示唆する。
戦地では軍に反抗的という理由で冷遇される・・・
ほか、「戦地の個人」にスポットを当てた物語。
。。。
現在においても、日本の戦争犯罪をそのものずばりと批評するマンガはなぜか陽の目を見ない。『はだしのゲン』がどうなっているのかを見れば一目瞭然。
それを避けるためには個人の物語にしてしまうこと。『この世界の片隅で』でも、庶民の個人生活史にしてしまうことで難を逃れている。
個人が辛かったエピソード、であれば、直接戦争犯罪を指摘しなくても戦争の悲劇を描けるから。
結局この国はまだ戦争から脱していない。
[第1話] ドッグスレッド
- 野田サトル | となりのヤングジャンプ
前々作『スピナマラダ!」のセルフカバー。始まり方は同じなんだけど、「女性ファンダムの集団のいやらしさ」が戯画化されている。
前作『ゴールデンカムイ』で作中キャラクターをアイドル化されたのがよっぽど嫌だったんだろうな〜と推察。最後、サンリオコラボまでやったので・・・
「生死もわからぬ想い人に心を残しながら死んだ心で日々を生きる男」がハンギョドンとコラボということ、原作者として思うところがあった・・・ということなのかもしれない。
でもそういう商売したのは君んとこの集英社だぞ、という気持ちもなくもない。わは
は。