その日読んだ漫画の雑感をまとめておくエントリです。
リンク切れや無料期間公開終了などご容赦くださいませ。
本日は5件の漫画の感想です。
※今回はチェンソーマンの好きなところに対してのちょっとしたコラムがついてます。有料(110円)なので、気になった方はどーぞ。
- 「[第38話]正反対な君と僕」
- この漫画を書くとき僕はオバケよりも世間にどう受け止められるかのほうが怖かったのです
- 「[拷問198]姫様“拷問”の時間です」
- 『大怪獣ゲァーチマ』KENT
- 「[第140話]チェンソーマン 第二部」
「[第38話]正反対な君と僕」
空気読みがちギャルの鈴木さんと意思ハッキリクッキリのことばの少ない谷くんはラブラブカップル。
こんなに違うけど2人は楽しい。恋の楽しさと人間関係の美味しいところを味わえるマンガ。
今回のお話、「いつから自分を好きだった?」っていう話をずーーーーーーっとしててこんなの俺に耐えられるわけがないだろう(恋耐性の問題)ッ!
恋の旨みを濃縮したかのような時間だ。。キラキラしすぎて、宝石箱に閉じ込めてライトバンのトランクに放り込んで爆走して海まで行ってうわあーーッて言って投げ捨てて、後悔して海に飛び込んで拾い上げてずぶ濡れになって泣きながらもう一回開けたい(何言ってんの?)
この漫画を書くとき僕はオバケよりも世間にどう受け止められるかのほうが怖かったのです
(タイトルはこれでいいんだろうか?)
ぁッこれめっちゃ面白いな~~~!!!
民俗学の「アナ」っすね・・・
忌として扱われた側が見る怪異。
この前、鬼太郎がJAXAとコラボして河童が宇宙服着て宇宙に行ってたんだけど、そういうことも起こる、今まで見ていた人や場所じゃないところの、カタチを変えた妖怪が生まれる。
一つ目小僧なんかが身体障害者をカリカチュアしてる、なんて話は有名ですが・・・
これが相当残酷な風習が由来である可能性があって、障害と怪談の関係性は一筋縄ではいかないっすね・・・
「この漫画を描くとき僕はオバケよりも世間にどう受け止められるかのほうが怖かったのです」
社会モデルとしての障害、
社会モデルとしての「怖いこと」
こう、面白さだけで終われない何かがありますね。
「[拷問198]姫様“拷問”の時間です」
ジャンプラの誇る「やさしいせかい」、姫様は今日も楽しい仲間とにっこにこの「拷問」!
今日の姫様は売り出し中のあざとアイドルみたいになります。俺アイドル知らないので1990年代の理解で言ってるのはご承知おきください。逆に私のアイドル感が露出してしまう事態に。アイドルを語る時、アイドルもまたこちらを覗いているのです(そんな大層な話じゃないだろ)
[その23]放課後ひみつクラブ」
スピード感に酔う、テンポで押すギャグ漫画!
学園のトンチキなヒミツを見つけるために日々奔走する「放課後ひみつクラブ」の蟻ヶ崎さんと猫田くん。今日はどんなヒミツをミッケられるのか?
放課後ひみつクラブ、学園ベースだけどちょいちょいプール回やSF回があって、昔のアニメの雰囲気で良ですね。あの、ストーリーとストーリーの間のアニオリ回みたいな感じ。ずっとはざま。
今回は未来に行っちゃうSF回。猫田くんが一発ギャグをやって外貨(未来貨)を稼ぎます。一発ギャグはスピードが命、テストに出るから覚えてね(出ないパターン)
『大怪獣ゲァーチマ』KENT
東北の大津波とともに出現した怪獣。
しかし怪獣は「海に溶けて」養分となり、街は潤った。
神として扱われる怪獣と、その人形を作って土産物として売る少女。
復興後10年、再度現れた怪獣を研究者が見に来たが。
その怪獣は神か悪魔か?その名は『ゲァーチマ』!。
震災と怪獣の組み合わせは3.11以降の怪獣モノのトレンドですが、怪獣が「養分になる」世界はちょっと珍しい。それでいてクラシックな怪獣モノの雰囲気もあって、現代的な怪獣マンガだなと。「ゲァーチマ」の響きのノスタルジーに震え、高身長ガールの登場で優勝。いいぞ!(高身長女子大好き)
。。。が、こうやって隠すのは、現在の東北の惨状があまりに痛々しくて申し訳なくて。。
汚染された処理水が流され、どれだけ言ったところでNOダメージでは済まない海と行業者、対して『ゲァーチマ』が溶けて豊かになった海のイメージの乖離が残酷すぎて、申し訳なくて楽しめない。。
現実が酷すぎてエンタメを楽しめない。なんとかしてホントに・・・。。。
「[第140話]チェンソーマン 第二部」
う~~~~ん、今回のこの回、すごく面白くないなあと思うんだけど、カルト宗教における相対主義的な善悪の判断を「デンジは欲望まみれでバカ」っていうそれだけでひっくり返そうとしてて、
チェンソはデンジが「バカ」で、「それはせんやろ」っていう判断をするのが面白い(「Aという方法で敵が倒せる!危険だがBもある!どちらにするっ!?」「んーと、「1」カナ〜」「お前話聞いてたのか!?」「超痛いけどヨオ、やれなくはねえからよ〜」「えっ意味わかんない!!」みたいな)くて、その無駄な判断こそが「やっちゃいけないこと」をやるってことで、それがチェンソの面白いところかなと思ってて、
その流れではあるんだけど
カルト宗教側が提案してくることが何言ってっか全然分かんなくて、デンジが割とまともな人みたいになってて、
第一部では「頭のネジがぶっ飛んだやつがデビルハンターになれる」っていう話で、デンジは確かに「なんでそんなことすんの!?」っていうキャラクターだったんだけど
今じゃあ【現実】の方がバカだし、その上そこもぼかしてくるっていうの、ほんとストレスでしかない。デンジをバカにしてくれよ、現実なんか出してきたら叶うわけないだろ(今はそういう時代)
私はさ〜〜〜、
「明らかに編集に言われてトーナメント戦始めなきゃいけないからキャラ揃えたけど次の回で全員モブ扱いで殺した」
とかっていうのにゲラゲラ笑ってたわけですよ。
「やっちゃいけないことをやる」のが面白くて、だから最終回がカニバリズムっていう、それもまたたぶん何かの映画からお借りしてきたものかもしれないけど、さすがに人間の一番の禁忌のところをやったので、私は手を叩いて喜んだんです。
ちょっとねえ、現実のネジが飛んでんですよ今。勝てないっすよねえ・・・
↓『チェンソーマン』の好きなとこを9巻のパワーちゃんとのやり取りで語っています。エッチな話もありますから隠しますね(そんなに言ってない)。あと突然山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』のネタバレするので。