漫画のことと本のこと

漫画好きが読んだ漫画や本の感想を書くブログです。

1/22週の漫画の感想(9件&リンクのみ20件)

このエントリーに書いた感想は以下の9件。また、感想ナシ・読んだアーカイブリンクは20件です。

 

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『税金で買った本』97冊目 ビブリオバトルガイドブックI

 

 

 

 好奇心いっぱいの不良少年、石平くんが覗く司書お仕事マンガ。みんなが使う図書館は、ありがたいけどたいへんなこともいっぱい・・・!

 今回は書評バトル「ビブリオバトル」について。わたしもあんまり知らないのですよネ。楽しみにしてます。
 それにしても司書のお仕事の給与が低いことはかなり知られていると思うのだけど、司書ってすっごくハイレベルな専門職。わたしは大学のレポートのために「あっあのっこの土地のあたりの坂の状況を調べたいんですが・・・100年単位の・・・」みたいなめちゃくちゃな相談にも「ではこのあたりの資料とかどうでしょう」とすっと資料がまとまっている場所に案内してくれる訳です。AIを駆使したレコメンド情報、なんてものはどんどん進化してきていると思うけど、なにせ本人にも調べたいことが分かってないから!AIはそのへん踏み込んでくれないだろッ
 図書館をテーマにした創作はけっこうあると思うのだけど、こういう現実的なマンガで司書の仕事の大切さが広まるといいです。あと給料を上げてあげてほしいです

 

 

 

チャンピオンRED 2024年2月号

『ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース』

 

 

 

アメリTwitter発、サイバーパンクニンジャ小説がコミカライズ!ニンジャ死すべし!そう古事記にも書いてある・・・!!!

 

 ハイパートンチキ日本感をゴリ押しするサイバーパンク。ネオサイタマにはマルノウチタカイビルがありニンジャたちがカラテでナムアミダブツ。難しく考えない方がいいです、ミヤモト・マサシも言っている(誤字でもないし錯乱もしていません)。

 

 文化の盗用、という概念があって、これは世界的に見たときとてもセンシティブな概念なわけです。本来その文化が育まれたところから、ふと気づけば「白人文化」になっている。いいか悪いか儲かるか儲からないかの話じゃない。ただひたすらに間違ってます。

 ニンジャスレイヤーも当然その危険性を内包するものであるし、すでに「ニンジャってサイバーパンク生まれのカラテ使い!」とかって言われてたりするんでしょうかね。地球が平たいことを信じる人たちもいる中で「そんなバカなこと信じる奴いるのかよ」とは言いません。またそれを止めることもできません。モキュメンタリー等と同様の危険性を孕む創作だと思います。

 わたしも将来、日本が本当に弱くなってしまって、文化の正当性を主張することすらできなくなった頃に「ああ、ニンスレなんて楽しく読むんじゃなかった」と後悔しているかもしれません。日本人、100年後には人口半減してるらしいからシャレではないのです。日本語話者なんてマイノリティだからネエ。。

 

 でも面白いんだヨ!!今回「ノーカラテノーニンジャ」って言われちゃってもうウケちゃってウケちゃって。バカじゃないの!?

 元が小説なので適宜モノローグやテキストの挿入があるんだけど、その処理が本当にうまい。コミカライズのひとつの理想系、と感じています。ケレン味「しかない」魅力に、過剰な文字量はものすごくマッチしてます。

 

 こういうキワキワの創作を楽しむために、ウチんとこの文化をしっかり語れるようにならなきゃダメだなあと思います。たぶん作者たち(※小説版もコミカライズ版も、他のバージョンも)、ある程度古事記ちゃんと目を通してると思うし。わたしちゃんと見てないもん。読まないで笑ってんのもなんですわな。

 

「[62話]ゴダイゴダイゴ」

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巨大ヒーローはおじさん!!

対怪獣兵器として、人間を巨大化するプロジェクトが始まってから30年が経つ。怪獣の飛来は減り、巨人たちは食費や生活費など巨額のコストを巨大ヒーロープロレスなどの「副業」でスポンサーを獲得して賄っていた。

世界で初めて巨人になった男、後醍醐ダイゴはロートル扱いされて人気がない。しかし彼こそ巨大ヒーローの将来を憂い、30年前の凶悪な怪獣の記憶を留める巨人界の先輩なのであるッ

 

 ゴダイゴダイゴは面白いなあ。

 絵も上手い、少年マンガの中の「おじさんの背中で魅せる」エモーションもヨシ、さらにジャンプラの中のインディーズ枠・・・つまりジャンプラプラットホームを使用するだけの編集者ナシ枠、言うなれば投稿枠なのだけどコミックスも発売と奇跡のようなマンガ。クリエイターの夢がありますね・・・!

 でも最近、編集さんがついたのかしら。話が収束していっている気がする。怪獣たちの起源や動機、また地球側の事情などが混み合ってきて良きですね!

 

 ただ、今回の「人類は繁栄するために小麦を栽培(奴隷化)したが、むしろ小麦が人類を利用して増えたのだ(怪獣を利用して人類が繁栄する)」 という主張、

 ボカァ、小麦に意思なんかなくてただ増やされただけだし、実際に奴隷にされたのは「大衆」、奴隷にしたのは「王侯貴族と法皇」、という主張があるのでこの辺どのように進めてくれるのかワクワクしますね。同族の方が残酷ですモン。真っ当な少年マンガの主張が眩しい本作、どう落とし所をつけるのかお待ちしてます!!

 

「[第10話]ダディデバディ」

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 こどもに憑く怪異、「疳の虫」。こどもの悪感情を媒介に現実社会に仇なす存在。この怪異を倒す任務こそ、「体操のお兄さん」「うたのおねえさん」の真の仕事!!

 体操選手の夢破れ、今は体操教室のインストラクターとして働く三児の父、田中。彼は疳の虫を視ることができる力と、こどもを守るヒーローになりたい気持ちで「体操のお兄さん」を目指す。

 

 育児世代を眼差した設定で見事まなざされたおれ(育児中)。「体操のお兄さん、歌のお姉さんがヒーロー」なんてわたしが一番知ってるよ!!あのお歌や体操に何度救われてきたことか。。。オヨヨ。。(コロナ禍はほんっと死ぬほど見たなあ。。)

 本作はそれにさらに特撮ヒーロー要素を加え、さらにさらに「アツい遅れてきた男とクールな陰を持つ男」でバディを組まそうという、主にお母さんを罠にかける仕掛かりで優勝を狙う(大きめな言い方)。

 今回はクールお兄さんの陰と、アツいお兄さん親しみが丸出しで狙ってるだろう!狙ってやがるだろう!!もう!!

 わたしは「寝かしつけの大変さの解像度の高さ」にに泣いてるからお兄さんたちのバディの話は任せた。寝かしつけポジショニング争いで10時過ぎ。。オヨヨ。。(しっかり取り込まれてる)

 

「[第153話]チェンソーマン 第二部」 

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1990年代、悪魔が跋扈し人に仇なす時代。貧しさから、唯一の友達でありペットとして共にいたチェーンソーの悪魔と契約をしたデンジ。胸のスターターを引っ張るとチェンソーマンに変身。頭からチェーンソーを生やし、悪魔を屠り血を撒き散らす。夢は「パンにジャムを塗ること」。何もない少年(本当に何もない)がチカラを持った行き先は。

 

 、、、上記あらすじは第一部のもので、第二部になってからは、「ナユタ」という守るべきものができてデンジも丸くなったもんです。何もないところからチェンソーマンとして祭り上げられて、大好きなマキマさんを物理的に食った後、ナユタと出会ってデンジは確かに幸せになったのに。。。いまだにヒーローを捨てられない。

 そして第一部ではチェンソーマンを祭り上げてくれた大衆が、増えすぎたチェンソーマン(の偽物)ごと、チェンソーマンに襲い掛かります。

 いやーそれにしても、チェンソーマン、ホントもうTwitter辞めたんだなって思うんだけど、これ今までだったらパンピーの腕切ったら「うわあああ!チェンソーマンが腕を切ったぞ!」みたいな、「殴りまくる大衆にちょっと反撃したら10000倍返し」みたいな、そうTwitterミームでよくあるやつ、あれやるところなのにやんなかったねえ。マンガ自体がTwitterトレンドに入ることも少なくなってきたし、私はいい傾向だと思うよウンウン。

 ヒーローがいずれ大衆に狙われるの話、『バガボンド』でもあったなあ。探せば神話にもあるような気がする。カミなんてものは信仰が変わればアクマにされるわけですが、チェンソーマンは元々アクマだったものが一時的にカミ扱いされていただけなので確かにまあこれで正しい気もします。あとはデンジ、お前が幸せになるために何をすればいいかって話よ(ワクワク)


JKハルは異世界で娼婦になった
第10話 カンケリズム~ドナ・サマーを聴かせて~4

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 普通の女子高生が異世界転生した。やれることは、あの頃やってたのと同じ娼婦だけ。男尊女卑、タテマエの人権すら剥ぎ取られた世界でハルが生きる。

 

 「女は異世界に来たって搾取対象」の本作、ここへきて異世界転生モノのミソ、、つまり「現代ジャパンの知識でチート」が出てくるんだけど、それが悲しいかな「JKだったから男がどうパンツを見てくるか知り尽くしている」という哀しい知恵。。そうなの、この作品すでに「女が1人でカフェに入るとヤバすぎで何度見もされる」という中世ヨーロッパ並感を出しているので、スカートの短い女性が出歩いている世界じゃないのよね。抑圧でスカート長くさせられて、嫌だっつってスカート短くしたら今度は「短くしたから見るんだ(女が悪い)」と進行する世界を飛び級するハル。世界の歴史を早回し!異世界転生ですなあ。。

 

 ハルがパンツを見せるのは女性の解放としての主張ではなく、あくまでも自分の目標のための手段。それは人権概念がない『JKハルは〜』世界での最適解。「売りたくはないが体を売って自己達成」は、人権や各種制度で女にもチャンスのある現代ジャパンではなく、私刑、宗教観による治世が行われているナーロッパ並みと心得たい。

 そして人権もまた人間の作ったファンタジーであり、現代日本であってもそれを信じない、信じられない人には全くの無効であることも付け加える。

 

『白山と三田さん』101. 第100話 上・京・物・語

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田舎のカップル、白山くんと三田さんはなんかヘン。ぼんやりまったり、やっぱりヘンなファミリーや周囲の人たちに囲まれた2人が、上京するまでの物語、完結。

 

 良かったなあ良かったなあ。2人が幸せそうで良かったなあ。

 なんか。。最近、職場がハイパーホワイトな漫画を読むと涙腺とか猜疑心とか同時に緩んじゃうんだけど(泣きながら「こんな会社ねえし〜!」とか言いながら「あったらイイナ。。」と呟く)、白山くんと三田さんの環境もまた「理想の田舎」。

 そもそも、おじいちゃんが孫の付き合う相手を見つけてきて。。みたいな話の導入、当初はギャグ漫画だと思ったから許してたのにどっこいちゃんと人間関係の話で、人間関係の始まりがめっちゃ強引なのにこんなにみんな優しいことってある?

 他人様(孫)の色恋に越境しちゃう侵食ぶりって引くんだけど、その最初の強引さを乗り越えたらとてもとてもハピネスな話で。

 こういうの見ると、お見合いって悪い文化だったのかなあ、なんていうのは思います。マッチングアプリのプリミティブで無料なやつだよね。人間関係のニラミの効いてるヤツ。マッチングアプリで出会って結婚って割ともう普通で、お見合いもその手段の一つとして見直されてもいいのかもしれない(※ただしやさしい世界に限る)(つまり現代ジャパンだとあまり薦めない)

 

『SANDA』10巻

 

 

 超超少子化を迎えた未来、こどもたちはヒエラルキーの上部に位置する。滅びに向かう社会でこどもを守れるのは・・・サンタクロース?それもムキムキの?

 

 こどもを隔離した学園の中で、こどもを脅威から守るためサンタクロースの末裔である少年、三田がマッチョな白髪老人になって悪い大人を退ける!

 

 いやあ〜、こどもの在りようとおとなの意義を問い直すSFでありバトル少年漫画であってまあメチャクチャ面白いんですけど、9巻くらいから一段飛ばしに刃牙みを帯びてきて、これは掲載誌チャンピオンの味なんだろうな(一応、作者は板垣恵介氏の娘さんではあるけどまあそういうことは言いたくない)。こじつけたくはないけどその辺も継承というか、こどもとおとなの関係の話に見えちゃってごめんあんまり言いたくないけど親子でチャンピオンのヒット漫画とか存在がマンガなのヨ!

 

 まあそれはいいとして、思考実験SFなのに少年マンガ、という両輪を成立させる巴留氏、10巻でもグッとくる仕上がり。ファンタジー的な理由から「股間を意識せざるを得ない」少年と主人公の他愛がなくて親密なやり取り。いろいろ複雑な話をあんまり意味のない行動で締める、

 

「2人だけが楽しいこの感じ、これを友達というんだろうか」

 

という導き方に、ぼく40歳なのにものすごくハッとしちゃったよ。ああそうなのかもしれないね、他の人にはつまんないけどその人たちだけが楽しいことを共有できること、それが友人の一つの定義かもわかんないね。いまだに少年マンガから生き方を学んでる。。

 

『43歳、子供部屋おばさんだって愛されたい』

 

 

 43歳、母親と二人暮らし。パートは20年選手。一生独身だったら最後は一緒に暮らそうね!と約束していた「子供部屋おばさん仲間」が結婚し、陽子はマッチングアプリで出会いを繰り返すが・・・?

 

 死ぬかと思ったぜ!!!

 

 あのねえ、子供部屋おばさん、とか、なにを批判されるべきかわかんないわけよ。いいじゃんかなにひとつ問題なく暮らしてて。そうやって生まれてそうやって死んで何が悪い、と思うので、陽子は恋愛を楽しんでほしいのよ。行け!恋路の果て!!

 

 ただその、絵の上手いクリエイターさんで。。

 

 老眼も含め、自分の顔を見ることも少なくなった40代。毎日カンで眉毛を描いて幾星霜、ある時近くで見た自分の顔に「!?!?!?お、おばさんがいるッ!!」と怯える経験がものすごく上手に描かれていて、なんていうの?顔の作りが大幅に変わったわけじゃないのにおばさんとしか言いようがなくなってるのよ。素晴らしい表現力でした。ウヘヘエイ(だらしない諦めの笑い)。

 

 西炯子の描く40代の「うるせーーーー!!ちょっと老眼だなんだとか言ってんじゃねーかわいいじゃねーか!!!」というところに激しいツッコミを入れる方にオススメ。いや、西炯子しごい好きなんだけど!『姉の結婚』とかホント好きなんだけどさ!!

 

 ところで本作もそうなんだけど、『たそがれたかこ』『恋とか夢とかてんてんてん』とか、しょんぼり女子が働いてるところの「社員食堂勤務」というポイントが気になりました。社食にはずっとお世話になっていたので有難い存在なんだけどなあ。

 

 

 

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